過去5年分の『共通テスト英語』:平均点や語彙数・正答率を比較分析をする
令和7年度共通テスト:試作問題『英語』を解いてみたので個人的な感想など

(DEEY─)11月。過去問に取り掛かる頃。
今回は『共通テスト』英語リーディングの2021年度から5年分の諸データをまとめて一覧にしてみました。
過去問分析の資料として参考になればと思ってます。
2024年度『共通テスト英語』:実際に解いてなぜ時間が足りないかを考える
1)リーディングの語彙数と平均点
まずは全体的な比較表を。
| 2025年度 (令和7) | 2024年度 (令和6) | 2023年度 (令和5) | 2022年度 (令和4) | 2021年度 (令和3) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 57.69点 | 51.54点 | 53.81点 | 61.80点 | 58.80点 |
| 語彙数 | 5,600語 | 6,300語 | 6,150語 | 6,050語 | 5,500語 |
| 大問数 | 大問8 | 大問6 | 大問6 | 大問6 | 大問6 |
| 文章ブロック数 | 8ブロック | 10ブロック | 10ブロック | 10ブロック | 10ブロック |
| 設問数 | 44設問 | 49設問 | 49設問 | 48設問 | 47設問 |
平均点は2022年の62点が最高、2024年の51点が最低。
語彙数は同じく2022年が最多で6300語。2021年が最小で5,500語。
ということで2024年は、単語数も多くかつ内容も難しかった。これの反省?からか2025年の今年は語彙数も減り、設問数も減り平均点は6点上がりました。
それから問題の内容と構成が一部変わりました。
問題内容の変更点については、事前に大学入試センターから『試作問題』として提示がされていて、本試験でもそれにほぼ沿った問題が出題されました(リスニングも)。
試作問題については別の記事を参考ください。
構成の変化としてこれまでは大問が6問、その中でAとBに文章問題が分かれているパターンがあり、合計で文章ブロックは「10」でした。
それが2025年から大問数と文章ブロック数が等しくなり、長文ブロックは「8」となりました。
ということで、この5年間を平均すると語彙数は5,920語、「おおよそ6,000語」ということになります。
試験時間の半分は考える時間とすると、40分で6000語は1分あたり150[語/分]読む計算。
ただ実際に読むときは、例えば冒頭は状況把握のためゆっくり読むことになる。それから問題の設問も場合によっては繰り返し読むことになる。
また説明文で未知の知識の理解を同時進行しなければならないとか、物語文で人物の感情など行間を読まなければいけないとか、
それらの「低速にならざるを得ない状況」込みでの平均速度が150WPMなので、普段は180WPMぐらいで読める能力が必要と考えるべきでしょう。
2)設問別正答率のグラフ
ここからのグラフはまだ過去問を解いていない人は見ないでおきましょう。
2023年、2024年、2025年の大学入試センターが公表している、設問別の正答率グラフを切り抜いてきました。
現在入手できるのは上記の過去三年分だけですが見てみましょう。
まずは2023年(令和5年)。X軸左から右に向かって設問番号が増えていく。Y軸は正答率。

(2023年度)
この年の平均点は53.81点と低かった。そして自分でも解いてみましたが、このグラフを見て納得しています。
まず第1問の設問1からいきなり正答率42%のやや難問。ここで時間かかってしまいスタートでリズムを作りそこなう可能性。
そしてところどころやってくる難問(2:14)。そして時系列並び替え(3:18−21)。まあ並び替えは仕方ないでしょう。
これら一部の難問を適切に処理(やり過ごし)すれば、全体としては「易しめの問題が続いているかな」と解いていて思いました。
ところがこの年2023年の平均点が低い理由は最後の大問6Bにありました。
微生物に関わる論文形式の文章で、読みながら未知を理解する必要がある問題。ここは150WPMのスピードは出せないかなと思います。
なので仮にここを残り15分で始めて「まあなんとかなるかな」->「ならない。時間切れ」というパターンが多かったのでは?と想像します。「本文は読めたのに!」という。
それは正解率からも読み取れます。6:44からが大問6Bですが、6:47こそ55%ですが残りは30%未満。みんな時間切れで「勘でマークしました」状態です。
続いて2024年(令和6年)。過去5年で平均点が51.54点と最も低かった年。
この年は別記事にしているのでそちらも見てもらえればと思います。

(2024年度)
この年は大問5の物語文が受験生の多くを苦しめたようです。普段から小説を読む習慣がある人とない人で差が出ました。
とはいえ英語の物語文は著作権の関係もあり問題集の中で作成掲載されにくいので、演習不足になるテーマです。
そして時間切れのまま大問6となってしまったことがグラフから伺えます。またこの年は語彙数も過去イチで多かった。
最後に今年2025年度(令和7年)。
2024年度から一転、語彙数は700減。平均点は6アップ。

(2025年度)
グラフからも正答率が低いのは「2問とも正解で得点」になるタイプの問題で、それ以外で極端に正答率が低い問題は(1:2)が目立つくらい。
設問数も「5」減少し、比較的多くの人が最後まで到達したことが想像できます。
これくらいの構成バランス感を問題作成側も目指して、結果その通りになった感じでしょうか。
(以上、2025年11月)

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