2024年度『共通テスト英語』を解いて、なぜ時間が足りないかを考える

今回は大学受験生に向けた話をちょっと。

あるいは

「大学入試『共通テスト』が”難しい”って聞くけど、どうなってるの?」

くらいに興味のある人向け。

実際に時間を計って解いてみました。

リスニング30分、リーディング80分。

合わせるとTOEICと同じくらい?(長い!)

そしてTOEIC800点人間の目線で感想を。

さらっと書こうと思ったが、めちゃくちゃ長い記事になってしまった。

なので目次をつくった。


(2025年12月19日)

令和7年度(2026年度)の試作問題を解いた感想は以下から。

令和7年度『共通テスト 英語』試作問題を解いてみたので、個人的な感想など

少し前に

2022年(令和4年度)の都立入試英語問題を解いた感想。英作文のコツなど

ということで、都立高校一般入試の英語問題を解いてみたことがある。

感想は

「こんなんだったっけ?文字量多いな。」

だった。

解答時間は40分。

いつものように、初見、事前情報なし、過去問未経験、

という条件ではあったけど─

30分かかった。もちろん100点は取れなかった。

ちなみに、この「一般入試問題」は、都立の中上位高校までが採用している共通問題で、

トップの日比谷高校から戸山、新宿あたりまでの上位校は

いわゆる”自作校”と呼ばれ、独自に作成したの英語問題になる。

こっちは更に文字数が多い。

高校入試で今やこのレベルですか。

自分はこんな感じのブログを書いているので

ネット上で

「共通テストの英語が難化」

とか

「共通テスト英語、時間足らない」

とか、妙によく目にする気がした。とくに今年。

まあでもこう言った、

「高校入試が長文化している」

「大学入試テストの難化」

という声は

「TOEICがどんどん難しくなってる」

と同じ文脈で語ることができるので、まあ納得ではある。

なんで納得したかは

公式問題集やテスト精選模試など。やらないともう圧倒的に不利な時代だと納得

でも書いたけど、要は

みんなきっちり対策するようになったから。

きっちり過去問分析やれば、

たった1回の対策でも既視感やら余裕感で体感1割も2割もスコアが上がる。

しかも人生の懸かる受験。

TOEICと違ってみんな一生に一度だから必死度が違いすぎる。

万全の対策を打ってくる。

「もう、問題難しくするしかないじゃん?」

という流れ。

正確に言えば、

難しさは”若干増し”で、分量が”増し増し”という傾向。

TOEIC受けて、高校受験問題解いて、今回共通テスト解いて、

みんなベクトルは同じ。

でもこの方向だと日本人の英語力はあんまり上がらない。

今回はまあいいか、そこは…

さて『共通テスト』はネット上で問題も解答も入手できる。解説はないけど。

独立行政法人 大学入試センター 過去3年分の試験問題

リスニング音声も聞くことができる。

今回、

リスニングはここからのmp3を再生しながら、別画面で問題を見ながら、紙に答えを書く。

リーディングも、同様に問題pdfをPCで見ながら、手元の紙に答えを書いていく。

とうい方法。

初見。過去問や模擬経験なし。むかし共通一次時代に経験あり。

という状況で解いてみた。

結果は─

リスニング:80点

リーディング:74点

(90分かけて:84点)

2024年度の平均点と段階表示を調べると─

[平均点]

・リスニング:67.24点

・リーディング:51.54点

[段階表示:9段階(上位4%)]

・リスニング:93点

・リーディング:87点

[段階表示:8段階(上位11%)]

・リスニング:89点

・リーディング:78点

リスニングはまあいいとして、リーディングは噂通りの物量だった。

ひとつ言い訳。

普通はリスニングではメモしながら、リーディングでは記しどなをつけながら解いていくが

今回は画面見ながらだから、それができなかった。

では、リスニングから感想を。

全体としては、

[大問1]からすでに簡単ではないけど、[大問6]が難しいかというと、そうでもないかな、という印象。

ここからは80点取りたい目線で話します。


[大問1] – [A] 音声2回

[大問1]と[大問2]は2回再生されるし、ゆっくりだし。と考えているとちょっとやられるかも。

聴き終わって即答できるタイプではない。

選択肢は

言い換え(つまりどういうこと?)

や、

「そうは言ってない」

系で一捻りある。

きちっと脳内に絵が描けて、その絵を保持したまま選択肢と照らし合わせる感じ。


[大問1] – [B] 音声2回

音声説明の内容に合致する絵を選ぶ問題。

まあこれは易しめに入るだろう。

だが、やっぱり「要はどういう状況?」みたいな感じで、一拍考える。

[大問2] – [B] 音声2回

今度は、音声が会話になってる。

あとは同じように、「要はどういう状況?」という絵を選ぶ問題。

まあこれもやさしめに入るんだろう。


[大問3] 音声1回

ここから音声は1回のみ。

対話音声から内容の正しいものを選ぶ。

これはTOEICまま。ただ、問題文頭に状況が日本語で説明してある。

これによってだいぶ易しくなる。

こう言った短い対話リスニングでは状況把握が一番神経を集中させるところだから。

ただ、説明文が日本語というのが面白い。

受験英語を解いていて思うのは、こうやって問題文や説明文が所々で日本語なこと。

これはこれで、日本語脳と英語脳を行ったり来たりする脳力が必要なんだけど。

ここも、難しくはないと思った。


以上が前半部分。

ここまでで、17問で配点は59点ある。

思ったより配分は大きいと思った。

状況によっては(得点に差がつかないとか)今後前半の配点は低くなるのかな?

80点が目標なら前半の間違いは、あってもひとつとかふたつだと思う。

というか因果が逆で、

80点取れる人なら、前半はほとんど取りこぼさないだろう。

簡単だとは思わないけど。

問題文を先読みできる速読力と、リスニング中に脳内に絵が描ける能力があるということは

そういうことだろう。

前半で3つ4つを超えて間違っている場合は後半苦しくなると思う。

まずはリスニングの時間を増やそう。頭の中に絵を描く練習。

頭の中に絵を描く順番は、日本語とは異なることに気づくのがコツ。

英語の語順で場面を描いていく。

難しいんだけど。

後半。

配点は引き算すると41点ということになる。

[大問4] -[A] 音声1回

一つは、絵を見ながら今日の出来事を聞いて、時系列に並べ換える問題。

二つめは、時間割を見ながら空欄を埋めて、スケジュールを完成させる問題。

ここで試されるのは、話を聴きながらメモできますか?という能力。

大問4はそれの短文でやさしい版。

前半の[問18] から[問21]の時系列並べ替えは、4つ全部正解で4点。

後半のスケジュールを埋める[問22] から[問25]は、各1点の配点。

頑張って解いた割には配点が低い!

でもここは、点数差がつくところだと感じた。

8割取れる実力者ならここは全問正解の8点。

80点目標でも、リズム崩したりすると1点2点、なんてこともありそう。

[大問4] -[B] 音声1回

[B] もメモ取りながら、って感じ。

音声の前に状況把握と準備のために数十秒の時間が与えられるので助かる。

「聴きながら丸バツをつけていくのかな?」みたいな予測を立てれれば。

少し状況把握に時間かかる問題。

なので初見なのか、過去問で似たようなのをやったことがあるか、で結果は少し変わりそう。

もちろん経験者有利。

でもこれだけ聴いて、配点は4点。


[大問5] 音声1回

今回のリスニングでは一番難しいと感じた。

そのためか音声前の準備時間がかなりある。

自分はこの時、mp3が止まってしまったのか?いや大丈夫か。えっと、なんだっけ?

などとやって無駄な時間を過ごした。

経験がないと、こういうところでも慌てる。

さてこの[大問5]では─

英語独特のメモの取り方を知ってるか?

なんかも鍵となりそう。

ニュースの見出しなどもそうだけど、

・be動詞は省略する。

・そのため、beに続く現在分詞や過去分詞が後置修飾っぽく(名詞後ろ)的に使われる。

・一般動詞はそのまま。三人称単数sもそのまま。

などなど。[問28]〜[問31]

だけど、ここは4問全問正解してわずか4点。気にしなくてもいいかも。

それから、[問32]の内容一致も設問文が長くて難しい(ぱっと見)。

[問33] なども、図の棒グラフやテキストを比較しながら、3つの国名見ながら、聴きながらだから難しい。


[大問6] 音声1回

最後は2人以上の会話文が2セット。

大問5に比べれば易しめなのかな、と感じたけど

会話文は経験的な慣れ不慣れもあるので、人によるのかもしれない。

こういった、複数人出てきて

「あーでもない、こーでもない」

「わいわい」

「じゃあ、そうしよう」

[問題]:”さて、結局どうなりましたか?”

は、難しいかもしれない。

会話文に特化した練習は必要だと思うけど、米ドラマは難しすぎるし時間ないし、そこまでやる必要もない。

NHKのラジオ英会話で経験を積むのは、もしかするとちょうどいいかもしれない。

配点は[A]が2問で6点、[B]が2問で8点だから、

ここを取れる取れないは大きいだろうな、と思う。


後半のテーマは、メモを取りながら聴いて理解する能力。

この練習は過去問とか模試とかでやるしかないんだろうな。

資料を見ながら、という練習は。

TOEICにもこのような問題はあったと思う。

英検にはあったかな?わからない。記憶にない。

でも、

”メモを取る余裕がありますか?”

ということだから、やっぱり英語力の問題になるんだろう。

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