2022年(令和4年度)の都立入試英語問題を解いた感想。英作文のコツなど

都立高校入試の英語問題を時間を測って解いてみました。

そして受験生の皆さんに”戦略”と言うほどではないけれど、何か伝えられればと思っています。

入試直前でここからやれることは多くはない…

けど知っておくと役に立つ”かも”的な「コツ」はあるので少し触れようと思います。

解いたのは2022年度(令和4年度)。東京都教育委員会のサイトから問題も回答もダウンロードできます。

令和4年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答表

この令和4年度に関しては─

・実施日:2022年2月21日(月)

・受験者数:英語 3万3,704人

・平均点:英語 61.1点

ということだけど、率直に言ってこの問題で60点取るのは、やはりそれなりの準備が必要と感じました。

とにかく文章量が多い。

自分はTOEIC800点ありますけど、リスニングを除いた残りを40分として、30分ちょっとかかりました。10分は余らなかった。

そして2問は間違えた。

ちなみに出身校は都立。どうでもいいかそれは。

それでは本題に行きましょう。


目次

[1] リスニング :<5問>:<20点>

[1] 自然な口調で話される英語を聞いて、その具体的な内容や大切な部分を把握したり、聞き取った事柄について英語で表現したりする能力をみる

[学力検査問題の基本方針] より

リスニングはおおよそ10分。5問で20点と全体の1/5。

[ちょっとしたコツ]

問題の選択肢はインストラクションが流れている間に先にさらっとは読んでおく。そしてリスニングに臨む。少しでも状況を予測しておきたいので。

リスニングを10分として、ここまで10分

ここからは80点以上を目指す人、平均点60点くらいを目指す人で時間配分は異なるのでしょう。

手をつける順は頭から、[2]->[3]->[4]でいいでしょう。

ただし[2]の途中の英作文、配点12点をどう考えるか。

80点越えを目指すなら、ここを5−7分くらいで通過したい。

60点目標であれば、[4]の長文を最後までやり切るのは難しい。

だからあと2〜3分粘って英文の語数を増やす方向でもいいかもしれない。

また英作文となると全くどうしていいかわからない、と言う人は以下で紹介する方法が少しでも響いてくれると嬉しい。

1行さえ書ければ0点ということはないだろう。4点くらいもらえるかもしれない。

[2] 資料読解と英作文:<4問>:<24点>

[2] 英語によるコミュニケーションを通して身近な課題を解決する能力をみるとともに、必要な情報を得たり、自分の考えを英語で表現したりする能力をみる。

[学力検査問題の基本方針] より

[2]-1 <4点> 目標:2〜3分

”人々が公園に求めるもの”アンケート結果資料を見ながら文中の[ (A) ]と[ (B) ]にふさわしい語句の組み合わせを選ぶ問題。

棒グラフを見ながら、比較級と最上級で表現された文章を読み解いていく。

注釈付きの単語が10個とやや多い。

[2]-2 <4点> 目標:2〜3分

オンライン講座の週間スケジュール表を見ながら、[ (A) ]と[ (B) ]にふさわしい語句の組み合わせを選ぶ問題。

難しい表現はない。ダメな日程を消し込みながら正しい組み合わせを残していく。

[2]-3 – (1) <4点> 目標:2〜3分

メールの内容要約文、正誤選択問題。

メール内容の時制が過去だったり、未来の話をしたりで時間を行ったり来たりするのは注意だと思う。

[2]-3 – (2) <12点> 目標:5〜7分

英作文。トニーからのメールへの返事の一部を作文。

後ろに長文読解が2問控えているので、時間かけすぎ注意。

80点越え目標なら5〜6分、60点目標でも7〜8分を超えるようであれば一旦そこで中断して先に進む。

─ 英作文のやり方 ─

(1) まずは日本語で要点をまとめてメモを書く。(1分くらいで)

(2) 日本語を主語、動詞、目的語(補語)に分類。

(3) 英訳がわからない難しい単語が浮かんだら、子供に説明するような優しい言葉で説明できないか考える。

(4) それぞれを英単語にして、それをS+V+Oの順番に並び替えて英文の骨格を作る。

(5) 助動詞や副詞、前置詞、形容詞などを足していく。

(6) You can… / There is … / For example, / I think that … / I feel … /

など定型表現も併せて使って、3つくらいの文章を目指す。

(7) 12点満点は目指さなくていい。

実際にやってみよう。自分は犬のことを思いついた。

(1) ・犬を飼っている。

・いつもは家の近所を散歩させている。

・大きな公園があったら連れて行きたい。

・ドッグランとかあれば犬も喜ぶ。

(2) 主語=>we、目的語=>犬、動詞=>飼う

(3)「飼う」の英語がわからない=>「一緒に住んでいる」と言い換える。

(4) S+V+Oに並べ替える。

=> We live with dogs.

(5) 骨格ができたので修飾語を足していく。

=> We are living with two dogs in our family.

これでひとつ完成。この調子で作文していく。

「散歩させる」=>「歩かせる」

=> I walk my dogs.(骨組み)

情報を足していく

=> I usually walk my dogs around neighbors.

3つ目

=> If there is park, I take them.

情報を足していく。主語を変えてみる。

=> But If you have a park near your house, you can always take them there.

ここまででも十分だろうけど、、さらに

=> Dogs enjoy the park.

情報を足していく。

=> I’m sure that my dogs will enjoy running in the park!

ここまでやると10分コースになってしまうかもしれないけど、骨格文だけを並べてもいいだろう。

そうすれば少なくとも1点2点なんてことはない。もっともらえる。

[2]を12分〜16分目標リスニング含めた全体で、ここまでで22〜26分くらいを目標。残り28〜24分


[3] 長文対話文:<7問>:<28点>

[3] まとまりのある対話文を読み、その流れや大切な部分を把握する能力をみる。

[学力検査問題の基本方針] より

[3]-(1)〜(7)(4点)x 7 = 28点目標:12〜16分

登場人物が4人と多い。文章も「ゴールとは何か?」「モチベーションとは?」などライフハック的。

単語も文構造も難しくないけど、誰のセリフかを把握して覚えておくのは、4人いると少し大変。

この問題は本文を読みながら、下線に来たら問題を解いていくやり方になる。

本文を全部読まずに、下線だけ読んで問題を解くこともできなくはなさそう。

[3]を12分〜16分目標リスニング含めた全体で、ここまでで34〜42分くらいを目標。

残りは16〜8分

[4] 物語文の長文読解: <7問>:<28点>

[4] 物語文を読み、そのあらすじや大切な部分を把握する能力をみる

[学力検査問題の基本方針] より

[4]-(1)〜(7)(4点)x 7 = 28点目標:14 – 18分以内

物語文で、[3]と比較するとより読解時間が必要。

60点目標ペースで行くと残り時間は10分以内というところだと思う。時間は足りない感じ。

全体のあらすじや登場人物の心情、主張の理解、状況把握、要約、また要点並べ替え(難問)など。

80点以上目標の実力者でも、ギリギリかもしれない。

しかもこの物語も登場人物が多い。

そしてこの手の”下線のない本文”は、[3]のように問題を解きながら進めることが難しい。

そうすると、いったん最後まで読んで、問題を解きながらまた本文に戻って…となる。

読んでいくうちに最初のほうの記憶が薄れていくので、何度も本文と問題を行き来して時間がなくなるパターンになりがち。

[コツ]

まずは1分ぐらいを目処に、問題文を先に読む。目的は本文を読む前の状況予想と把握。

いきなり読み始めるよりは、多少なりとも情報を持って挑める。

選択肢は読まなくてよい。むしろ読まない。

例えばここの問題文(だけ)を先読みすると─

“Tomoko was shocked …”

“… after the meeting in October, …”

“After meeting in November, Tomoko was moved …”

“… Tomoko realize at night after talking with Yuko …”

“… speak to the committee members …”

など、本文推測に値する語句が見られるので、役に立つかもしれない。

あとひとつ気づいたのは─

この問題だけなのかはわからないけど、問も文章の流れに沿って出されていて、

例えば半分くらいまで読んで、問の前半のいくつかを解くことは可能、なつくり。

まとめ

振り返ってみて全体として、繰り返しになるけど、難しい文法構造は出てこない印象。

関係代名詞も2−3箇所。過去分詞による後置修飾もあったかなかったか。

単語や連語(句動詞)や慣用句も難しくはない。

その代わりに文章量は多く、登場人物も多い。つまり速読能力は相当必要と思う。

そして国語的な読解能力も必要。こちらはつまり英語を英語のまま理解(脳内イメージ)していく能力。

これらが十分備わっていると時間内に[3]の最後まで行けるイメージ。

60点を目標とするなら、焦らずに[3]までを丁寧に読んで、[4]を1回読んで、並べ替え問題は飛ばして、何問かを解ければ、残りの問題は4択の運に任せる、という感じだと思う。

今回の[4]であれば、半分まで読んで、半分まで解くやりかたはできそう。

一方で英作文は目標点数にかかわらず空欄は避けたい。

(2024年1月)

Follow me!