ハマる人はハマるLOSTロスト。多彩な登場人物の英語は各国訛り展覧会

今からもう20年ほど前になりますが、世界中を熱狂させ多くのマニアを誕生させて、各メディアやサイトが行う

「グレーテスト・クリハンガーズ・ドラマ・オブ・オールタイム・ランキング」

では今でもなお常連の─

ロスト(原題:Lost)

今回はこれの英語学習者の立場を加えたレビューをします。

特に出演キャストと出身国の訛りをできるだけ紹介します。

自分はパイロット話で大ハマりし、その後英語の勉強をしつつ、何年か放置しつつ、期間を取りながら、

2008年から2019年まで足掛け11年かけて全121話、完走しました。

この『ロスト』ですが、ジャンル的には

「超常現象系サイエンスフィクション」

でしょうか。今風に言うならプラスでタイムリープ系。

この手のドラマ好きでればぜひどうぞ。

「そろそろ”訛り(アクセント)”を勉強しようかな?」

という方にもおすすめです。

パイロットと1話くらいを見れば自分に合う合わないが判断できると思います。

以下の見出し[7]からは、途中から登場するネタバレ要素を含むキャスト紹介が含まれますのでご注意を。


(2023年8月、追記)

フールー(hulu)での『LOST』の配信は今年で終了しています。

ディズニー傘下のディズニープラスに移行し全話英語字幕付きで視聴ができます。

(以下、2010年10月のオリジナル記事)

『LOST』は2004-05年から2009-10年まで6シーズン、全121話完結の大作です。

物語は1日を1話として描いていて、つまりは全部で121日、約4ヶ月の島での出来事になります。

クリエーターはデイモン・リンドロフとJ.J.エイブラハムで、

個人的にはこの作品を作るためにこの世に生まれてきたのではないかとさえ思っています。

時間軸を含めて4次元的にストーリーは展開し、各所に伏線をちりばめ、豪快に風呂敷を広げて視聴者のクリフハンガー感を煽ります。

「あのシーンの意味はなんなのか?」

「あのセリフはどういう意味なのか?」

「あれは一体なんのことなのか?」

「誰のことなのか?味方なのか?的なのか?」

「その過去は今と何の関係があるのか?」

「それはいつ、どこの話なのか?」

などなどこれらの「?(伏線)」をいかにして回収するのか?

当時のネットでは、各シーンを振り返り、過去のシーンとの整合性からロジカルな未来を予想し─

さまざまな議論が展開され毎週毎週フォーラムは大変盛り上がりました。

個人的にも『ツインピークス』以来のどハマりでフォーラム読むのが楽しみでした。

そういった熱狂的なファンの一方で、その伏線回収方法への不満や、またテレビ的な引っ張り(冗長的な引き伸ばし)もみられたため、同時に多くのアンチも存在しました。

それから日本ではDVDだけの発売でしたが、北米版ではBlu-rayが制作されました。

各シーズン4−5枚組で特典がてんこ盛り。

コメンタリー音声からメイキング、インタビュー、ブルーパー、デリートシーン、特別企画映像・・・

それでは、ここからはキャストの紹介とともに話を進めましょう。

< キャスト紹介の凡例 >

🇺🇸 ミズイロ:アメリカ英語

🇬🇧 ミドリ:イギリス英語

🇯🇵 キイロ:その他国籍英語

以下の登場人物の表記に関しては、ウィキペディアのLOSTの登場人物に準じました。

キャストの詳細はそちらにお任せし、本稿は主に彼らキャラクターの英語発音レビューとします。


🇺🇸 ジャック・シェパード

アメリカ人で若い脊髄外科医。いわゆる知的階級の高いしゃべりで教科書のような発音。

シーズン1の物語進行では中心人物であり、聞き取りやすい英語が全体理解の助けになります。

本人(Matthew Fox)もアイビーリーグの一つコロンビア大学を卒業している高学歴だそう。

ご本人の両親ともにアメリカ人。アメリカの東北ペンシルバニア生まれだが、西北ワイオミング育ちで、アイビーリーグのコロンビア大学卒業。

すでに述べましたが『ロスト』のような

・連続もので

・大風呂敷を広げて

・なおかつ伏線を散りばめ

・時間も空間も前後し

・核となる主人公だけでも10人以上

といったドラマは、ひとつのセリフの聞き逃しが後々響いてきます。

そもそもまずは人の名前と顔を一致させるのも大変なのに。

なので丁寧に時間をかけて字幕で確認しながら、状況を押さえながら休みながら見るのが楽しむコツだと思います。

ロストのようなドラマは他にはありませんので、焦らずゆっくりやりましょう。

といっても先が気になるという罠。


🇺🇸 キャサリン・アン・オースティン “ケイト” 

アメリカ人(設定)でアイオワ州出身の小柄でタフな殺人犯罪者。呼称はケイト。

感情幅の大きい役柄のため、喋る抑揚や速度は状況によってかなり変化します。

全体的には聞き取りやすい丁寧なアメリカ英語に聞こえますが、本人(Evangeline Lilly)自身はカナダ出身です。

ちなみに一般的なカナダアクセントはほぼアメリカ発音なのですが、ルーズさが味付けされる感じ。

結構聞き取りづらいです。寒い地方は口を開かなくなるんですよね。


🇺🇸 ジェームズ・フォード “ソーヤー” 

アメリカ人。ソーヤーと自称する。だけど途中からは本名のジェームスと呼ばれ始める(人によっては)。職業は詐欺師。con man。

セミロングのブロンドイケメンな見た目の一方で、性格的には影ありまくりな、ひねくれた犯罪者の役柄。

イケメン発音、皮肉まじり、加えて南部訛り。聞き取りは大変難しいです。

本人(Josh Holloway)は南東ジョージア州育ち。なので役柄関係なく南部アクセントは喋れるものと思われます。

第1話を見終わって、「これはおもしろい。」となった段階で、じゃあ次の第2話からは

・1回目は英語字幕なしで頑張るか

・やはり字幕がないとキツイか

・あるいは日本語で見ないとダメなのか

の当たりが付けられると思います。

ただ物語の特質上、意味不明なセリフが多いです。

そしてその意味がわからないセリフをそのまま覚えておく必要があります。

のちのち「ああ、そういうこと!」とか「そういえば、そんなこと言ってたね。」的な膝打ちシーンがやってくるので。

またキャストが国際色豊かで、訛り英語の展覧会状態なのでやけに聞き取れないキャストが出てくるでしょう。

そういう意味でセリフの理解不足は、例えわずかでもチリが積もってどんどんストーリーが見えなくなっていきます。

まあそれもこの手の連続ものドラマの宿命。

なので少なくとも字幕は出しながら見ることをお勧めします。

自分は無理して6割7割程度の聞き取り能力で、初見は字幕なしで頑張って見ましたが時間かかりました。

長丁場ですから途中からリスニング力が上がって多少なりとも楽になりましたが。

聞き取りが半分程度かそれ以下の場合、明らかに実力より上の教材ですので最初から英語字幕付きで見ましょう。

それでも言ったように意味不明なセリフ多いです。

ちなみに、第1話はクラッシュ後の大混乱シーンでセリフは少なめ。

ただドラマの雰囲気や物語の進行フォーマットがわからない中で、唐突にブツ切れの回想シーン(フラッシュバック)が挿入されたりして戸惑います。

とは言え第1話は聞き取り易い発音のジャックが中心のエピソードで、全体には難易度は優しめです。


🇺🇸 ジョン・ロック

アメリカ人。島では下半身付随からなぜか回復している。別名「信念の人」。

また”ジョン・ロック”とは17世紀のイギリスの哲学者と同姓同名でもある。

ジョンの発音はキャストの中では最も聞き取りやすいです。

感情に左右されず常に一定の落ち着いたナレーションのような喋り。むしろ逆に無感情的で怖い。

本人(Terry O’Quinn)はアメリカ北中部のミシガン州育ち。

米北中部の英語は日本人的にもかなりわかりやすい発音ですね、一般的にも。


🇺🇸 ヒューゴ・レイエス “ハーリー”

アメリカ人。巨漢。巨額賞金のロトに当選。

この人も不幸な過去あり引きこもりで自分に自信がないタイプ。

ヒューゴーの英語も聞き取りづらいです。ソーヤーとヒューゴがじゃれ合うともう意味不明。

舌足らずな喋りかたに加えて、区切らずに繋げて喋る。言葉遣いもラフな言い回し。

役者本人(Jorge Garcia)はネブラスカ州出身のアメリカ人ですが、母親がキューバ生まれ、父親がチリ生まれで発音に影響を受けていると思われます。

主人公たちが搭乗したオーシャニックエア、フライト815便(以下、OAF815便)が島に墜落し、

素性不明な生存者たちがそれぞれ生きるために活動を始めるわけですが─

エピソードは毎回「誰々の回」的にキャラクターが1人フィーチャーされます。

第1話は全体のストーリーと並行して、ジャックが物語の中心となる回。

彼らの過去がフラッシュバックシーンとして、島の出来事の合間合間に挿入されて素性がおぼろげに見えてきます。

ジャックやジョンのフラッシュバックはわかりやすく、

ソーヤーやヒューゴの回は聞き取り理解が難しい.。

などエピソードごとに聞き取り難易度が異なるのもロストの特徴です。


🇮🇶 サイード・ジャラー

イラク人で軍の通信兵。湾岸戦争にも従事し拷問担当官の過去に苦しむ。

フラッシュバックのイラクでの回想シーンはイラク語(?)のため英語字幕となるので内容理解はしやすいです。

島でのシーンはカタコト英語。聞き取りやすい国籍不明の英語に聞こえます。

中東?訛りの英語を演技として話そうとしていますが、あまりうまく行ってないようです。

というのも本人(Naveen Andrew)はロンドン出身の英語ネイティブ。両親はイラクではなくインド出身の心理学者。

インタビューや特典映像では普通に英語。


🇰🇷 ジンスー・クォン

韓国人でサンの夫で新婚。コングロマリットのオーナー(妻のサンの父親)に仕える。婿養子的な立場。

英語が当初は話せない。したがってセリフは韓国語。全てに英語字幕がつくので内容理解は容易でしょう。

本人(Daniel Dae Kim)は韓国生まれですが、すぐにアメリカに両親と移住しニューヨーク近辺で育ち、普通に英語を話します。

韓国の人曰く、劇中の彼の韓国語はかなり怪しいらしい。まあアメリカ人ですから。

先日アジア人ヘイトの件で、コメンターとしてCNNに出演しているのを見かけました。


🇰🇷 サンファ・クォン

韓国人。ジンの奥さん。父親が大企業のオーナー。

彼女の英語は東アジア(ハングル/日本語)訛りで日本人にはとても聞き取りやすい発音です。

ジンとの会話では韓国語を使うので英語翻訳字幕がつきます。

彼女のフラッシュバックエピソード回も理解は容易です。本人(Yunjin Kim)は韓国生まれで10歳頃にアメリカに移住しニューヨーク周辺育ちです。

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