元FOXの『シンプソンズ』:ディズニー+から配信中ということでチェック

2019年にデズニー傘下となった21世紀FOX。そしてディズニープラスで視聴できるようになった『シンプソンズ(原題:The Simpsons)』。
『ディズニー』で『シンプソンズ』が見れるという違和感。
あのシンプソンズ一家が、ミッキーマウスファミリーやディズニープリンセスたちと一緒の屋根の下で同居しているという…
今回はシーズン34が放送中で未だ現役の未来予言アニメをレビューをします。
英語学習的には英語字幕付きの配信で、シンプソンズを使って英語の勉強ができる、という上級者にとっては願ってもない展開。
字幕という点ではこれまでは海外版Blu-rayを買うしかなかったので。
1)吹き替え版も製作されたシンプソンズ
2023年現在『シンプソンズ』をリアルタイムで見ている人はもう少ないでしょうし、若い人は知らない人もいるんだろう。
アメリカでの放送開始は30年以上前の1989年12月。以来一度もキャンセルされることなくすでに700話を超え、2023年10月シーズン35が始まります。
日本でも放送開始後ほどなくキャッチアップされて、1990年代早々にはWOWOWや一部民放で吹き替え版が製作されたようですね(ウィキより)。
2000年代に入ってCSのFOXチャンネルに引き継がれ放送は継続されつつ、日本語吹き替えの制作がシーズン14で終了し、以降は字幕版(といってもクローズドキャプション)となった。
2)DVDやBlu-rayも発売された
2000年代はDVDが一気に普及した時期でもあり「そうだシンプソンズで英語を勉強しよう!」というニーズがあったかはわからないけど、DVDも発売された。
アメリカ版は2001年9月25日から。ただし「リージョン1」と言ってアメリカで売っているプレーヤーのみで再生できるタイプで、リージョン2の日本語版の発売は2005年まで待たなければいけなかった。
DVDは確かシーズン1から順番ではなく、シーズン5あたりが先に出たような記憶がある。そして吹き替え版のあるシーズン14まで製作されたが、シーズン15以降は発売されなかった。
アメリカ版はDVDに加えてBlu-rayも制作された。シーズン13から17、飛んで20と発売されているけどそこまでで中断。
ちょうどFOXの身売り話が持ち上がった時期であり、またネットフリックスが興隆し配信が普及し始めた時期でもあった。
自分は2010年1月9日に年頃に『ザ・シンプソンズ シーズン 1 DVD コレクターズBOX』を購入して沼へと進んだ。海外版Blu-rayは全部買った。
同時にCSスカパーのFOXムービーでのオンエアーもフォローし始め、当時はシーズン21くらいだった。字幕放送で。
けっきょく2〜3年くらいハマった後、あまりの英語の難しさに心折れてフェードアウトした。
2023年10月現在今なおCSのFOXチャンネルで、日本語字幕+オリジナル英語音声フォーマットで放送されています。
3)Disney+での視聴フォーマット
シンプソンズは時々見たくなるのだけれど、スカパーの契約しなければならず現実的にはそこまでやる感じではなかった。
という中で2019年3月20日にFOXがディズニーに買収され、ほどなくの2019年11月12日ディズニーが配信事業を立ち上げ、そしてそれが2020年6月から日本でも開始となり、その中にシンプソンズが含まれるというウワサが立ち、事実となった。
当時これに即座に飛びついたわけではなくて、だけど先日やっと『Hulu | Disney+セット』に乗り換えをしたので、実際にシンプソンをチェックした。
まずはシンプソンズが配信でしかも英語字幕付きで見れることに感慨ひとしお。
ちなみにシーズン10の最終話(#23『Little Over Tokyo』日本未放送)は存在しません。
早速いくつかチラ見しながら見てましたがやはり難しい。字幕を見ても意味?なセリフがとても多いことに改めて気づく。
場面転換が早いので、例えばシーンが変わってホーマーがぶつぶつと文句を言いながら始まる場面とかだと、何の話が始まったのか全く不明で理解できない。
それはさておいて、いくつか気づいたこと。
1)CC字幕がなぜか画面上部表示で固定。位置が変えられないっぽい
そのため、見ているとキャラの顔に被りまくります。
2)初期作品の4:3の画角(アスペクト)が配信では16:9になっている
16:9はしょうがないとしても問題はそのやり方で、両側に黒をたして16:9表示させるのではなく、4:3の上下をカットして16:9にしている。
つまりオリジナルの上下の映像を切り取って16:9にして(594×360)それを拡大(1920×1080)している。オリジナルから情報量が減っている。
見た目も映像をアップコンした感が強く、キャラクターの線が太く解像度も荒く見えます。
実はすでにアメリカで先行配信された時に、この仕様であることが判明してネット上では物議を醸し、修正するのではないかとも言われています。期待して待ちましょう。
それからDVD/Blu-rayでは全話コメンタリー付きというすごい仕様でしたが、配信ではコメンタリー音声は聞けない。
4)シーズン34 第1話 視聴レビュー
さて久しぶりにこの記事のために視聴してみました。約10年ぶりでオープニングテーマちょっと懐かしい。
シーズン34第1話冒頭、屋内のタウンミーティングらしき集まりのシーンから始まりますが─
いきなりアメリカの建国歴史イジリで始まり、すぐに演壇が入れ替わってラブジョイの奥さんが出てきます。
そして「人々が勝手に無料図書館を町中に作っている。」と突拍子もないことを言い出します(背景にはそのスライド)。
展開早すぎ。
シンプソン夫婦がそれを多くの出席者の一部として聞いています。そしてホーマーがマージに問いかけます。
Lovejoy : People are putting up free DIY libraries.
Homer : What’s DIY stand for?
Merge : Do It Yourself.
Homer : I’m trying to, but I can’t.
・・・笑えます?3秒くらいかかりますね。もう次の場面いってますが・・・
その後二人は家に帰ります。ホーマーは会場でみんなに笑われたことで落ち込んで、タイタニック関連のボケ。マージがホーマーを慰めます。
ここで気づいたのですがマージは本来のかすれ声に拍車がかかって、さらに聞き取りづらくなってる。調べると声優のJulie Kavnerさんは1950年生まれ。
ここまでですでに会話のテンポが早すぎで脳がついていかない感覚があります。本当に難しくて半分聞き取れていない感じです。
というか音的には聞き取れているけど展開が早すぎて、次のセリフがかぶせてくるので意味を取る前に先に行かれてしまうという感じ。
さすが最強レベル英語素材。
個人的にはこのレベルの英語を習得する理由がない。だからシンプソンズを見ることはまたしばらくはないんだろう。
(2023年9月)
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