2024年度『共通テスト英語』を解いて、なぜ時間が足りないかを考える
6. リーディング [80分] 前半の感想 [大問1/2/3]
さてリーディング。
しんどかった。
TOEICの75分でも、けっこう体力持ってかれて当日午後は抜け殻になる。
リーディングは基本的には、
1、状況説明文読む
2、問題文を全部読む(設問は読まない)
3、本文を一気に読む
4、問題を解く
でやってみた。
これでどれくらい時間が足りないのか(余るのか)知りたかった。
本文を読みながら、順に問題を解いていく方法は採らなかった。
以下は、振り返りながら
”どうやって時間短縮するか”を考える。
[大問1] -[A](配点4)
インターナショナルデーのチラシの話。
状況説明だけは必ず最初に読んでおく。
[問題1]は、問題文だけ読む。”ただにするためには”と言ってるので、設問は読まない。
[問題2]は、設問も少し読むけど、”何ができるか?なので、本文をちゃんと読む。
[大問1] -[B](配点6)
日帰り遠足の話。
こっちは、問題先読みしてもどこまで効率的かは微妙だと思った。
記憶力勝負の問題。
というのも、問題を順に解きながら、それに沿って本文を上から読んでいく流れ─
ではない。
[問題3]”そこには何があるか?”
[問題4]”3つに共通すること”
[問題5]”どれが一番最近の建物か?”
どれも全部ちゃんと読まないとわからない。
その上で記憶勝負。
本文と設問を結構行ったり来たりした。
[大問2] -[A](配点10)
戦略ゲームクラブの話。
本文はほぼ箇条書き。
本文読んでから、問題を見ても本文の箇条書き数が多くて覚えてない。
どこに正解があるのか行ったり来たり。
かと言って、
本文を読まずに、問題文を読みながら、該当する本文箇条書き箇所を探し出す─
これだと何回も本文を読む羽目になる。
下手すると問題の数だけ本文を斜め読みしてしまう結果に。
最初の問題[問6]の答えは最終行にある。
[問7]は、クラブアクティビティの6つを読んでから選ぶ。
[問8]は、コメント6つを読めばいい。
[問9]は、もう一回両方とも読む?読まなくても覚えている?
言ったり来たりの情報処理(メモリとCPUと検索プログラム)。
[大問2] -[B](配点10)
海外旅行保険のレビューのはなし。
[問11] ”どれが正しいか?”
=>全体の4/5まで読まないとわからない。
[問12] ”最安プランには何が含まれないか?”
=>4/5読まないとわからない。
[問13] ”二言で言うとどういう会社なのか?”
=>最初の2/5段落まででわかる。
[問14] ”結局このレビューワーの態度は?”
ここも問題順と本文順は並んでいない。上から解いていくことはできなさそう。
[大問3] -[A](配点6)
日本でのフォトラリーの思い出を、イギリスに帰ってからアップしたブログの内容。
正攻法で解く問題。
右枠内のルールも読まないと、左のブログでの内容が不明瞭になる。
[問16] つまりどう言う状況ですか?
[問17] 読んでスーザンに言葉をかけるとしたら?
これは国語の問題。
[大問3] -[B](配点9)
去年のエングリッシュデーで行われた”バーチャルサイエンスツアー(南国編)”のレポート
ここは一転、問題解きながら読み進めることのできるパターン。
以上が、前半。
問題数としは、23/49だから、45%といったところ。
配点もここまでで45点。
ただ、ここまでで40分かかってると最後までは到達しない。
かといって30分で解けるか?というとかなりの速読が必要だろう。
自分はゆっくり丁寧にやった感覚で、ここまで36分だった。
ちなみにここまで2つ間違えた(21/23)。
7. リーディング [80分] 後半の感想 [大問4/5/6]
後半はいよいよ”長文”な読解になる。
[大問4] (配点16)
この問題含めて、配点は合計61点。
要約的な問題。
本文読みながら、2ページめのまとめ要約を見ながら、3ページめの問題を解く。
全部並行にやっていくイメージなんだろう。
3ページにわたって行ったり来たりするけど、
本文の読み込みは合計で1回で済ませたい。
それはちょっと難しいか。
[問25]は、最後まで読まないと無理っぽいか。
自分は13分かかった。ここまでで49分経過。
[大問5] (配点15)
物語文。登場人物3人、それぞれの現況と原因となる過去の話が入り乱れる。
物語としては普通に読める。
要約の部分は先に目は通しておくけど、本文は一気読み。
時系列とマキの言動に注意しながら。
問題もそこまで難しくはない感じ。
と思ったが、時間を調べると18分もやってた。ここまでで67分。
残り13分。
[大問6] -[A](配点12)
[大問5]まで全問正解すると76点。
9割正解なら68点。
[大問6]の配点は合計で24点。
と言うことは、
80点以上目標なら実質ここからが勝負。
ここを全問正解で合計88点。
だけど、[大問6]-[A]まで解き切った人は少ないのではないだろうか?
自分もここで残り13分だった。
明らかに急がなければならないプレッシャーのなかで解いた。
結果、13分では最後まで解けなかった。
[大問6]は、時間認識は条件によって相対的であると言う話。
ある程度どこかで聞いたことあったり、でも勘違いして理解していたり、
という事前知識がかえって邪魔する可能性のある文。
だけどこの問題、後から見返すと結果論だけど本文全部読まなくてもいけるパターン。
ここへ来て!
[問39][問40]:段落にふさわしい見出しは?
[問41]:要約箇所(your notes)で”問い”に繋がる前の文が
“… speeds up … but a [41]”
なので、答えは少なくとも”… slow down” じゃない?で、(1)か(3)になる。
あとは経験から考えられる。
[問42][問43]は、これは後出しジャンケンっぽいけど、
本文に
“… retrospective timing, which is …”
“… perspective timing. It is … “
と、直後に丁寧に意味を書いていてくれる。
それら定義に従うと選択肢が浮かび上がる。
[大問6] -[B](配点12)
残り12点分。
自分は時間切れで手付かず。
チリペッパーとわさびの辛さの違いの話。
最後は[大問4]と同じパターン。本文ページと、まとめメモページと、問題文ページをペラペラめくりながらの並行作業。
この問題は本文まともに読まなければいけないので、10分では解けないかな。
[問48][問49]とかは、なんだか選択肢の文表現が子供っぽい。
この2つは本文読まずに常識で解けそうな感じ。
そのまま10分延長戦として解いてみたが、[問48][問49]は間違えた。
[大問6]は、10分では足りなかった。
8. まとめと速読方法について
リーディングについて
このテストが終わったあと、YoutubeやWebで総評動画を見たりした。
そこで東大生やら、TOEIC満点、英検一級の錚々たるメンツで90点台と知った。
まあ国語もそうだけど、英語も100点は取れない分野。
内容一致問題は、設問が微妙だと作者と読者で解釈が分かれるパターン。
だけど彼らをして時間がギリギリ、というのは流石にやりすぎ感がある。
「リーディング、こうやれば時間内に最後まで解ける!」
というのは、理屈としては言えるけど現実的には難しいだろう。
なにせ今回は90点取ると上位3パーセントだ。
80点で上位10パーセントに入る。
そのために時間資源を大量注入するかどうかは他の教科とのバランスによるだろう。
この問題を80点目指して勉強するとか、トラウマでむしろ英語嫌いが生まれるレベルな気がして
そんな余計な心配をしてしまう。
まあでもそれが現実だし、10代の若い脳ならだいじょうぶなのかもしれない。
自分でも初見で70点は超えたということは、正攻法でも準備して臨めば普通の人でもなんとかなるんだろう。
ただ速読は必須。
「じゃあどうやったら早く読めますか?解けますか?」
わかる。
これについて詳しくは別の記事にしますけど。
まずは単語と文法はある程度身についている前提で。
共通テストはもはや国語の問題になってきているので
つまりは言語解釈と記憶力・情報処理能力の勝負になってきていて
「普段から日本語でも本を読んでますか?」
「国語は得意ですか?時間内に解けますか?」
という問題にもなってくる。
・設問を記憶に留めながら本文を読む能力。
・どこに何が書いてあったかを思い出せる能力。
・時系列に並べ替えれる脳内描写力。
テクニックとしてスキミングやスキャニングなど言われているけど
日本語で読むときはみんなやってる。
その能力は普段の読書や普段使っている語彙力が支えている。
これは日々の訓練が必要で母国語でもみんな10年かけて磨いている部分。
なので参考書というよりは英語力を素直に伸ばす方向がいいけど
過去問や対策本はそれでも必須。
もう1つは、英語の綴りから日本語の綴りを経由しないでイメージが出てくること。
dog と書いてあったら「犬」という字は思い浮かばずに「犬のイメージ」が出てくると思う。
dog => 「犬」という文字(あるいは音) => 犬のイメージ(日本語脳経由)
dog => 犬のイメージ(日本語脳を経由しない)
とにかく日本語を経由しないこと。
映像(経験)と繋げること。
文字と映像がリンクしてれば理解に秒かからない。
脳内処理時間は全然違う。
こういう単語をどれだけ増やせるか。
9. 自分のWPMは測っておく
2024年度は6,200語とのこと。
これを80分で解くには、49問の解答時間を半分と仮定すると40分で読むことになる。
6200/40 = 155 文字/分(WPM)
“WPM” は Word Per Minutes で1分あたりの語数。
このスピードはTOEICのリーディングで最後まで読み切れる速度と同じ。
TOEICのリーディングも150WPMが必要と言われている。
だから相当早い。
まずは自分のWPMがどれくらいあるかは測っておく。
あるいは150WPMはどのくらいなのか知っておく。
ちなみにリスニングの音声スピードは150WPMくらい。
単語も文法も易しく文も短ければ150は行けそうな感じがするかもしれない。
単語の難しさや内容の難しさで変わるので、素材選は共通テストと同レベルのものにする。
共通テストの過去問でも模試でも、あるいは偏差値60くらいの大学の問題でも、問題集でも。
全部やる必要なくてどれか1問か2問やってみればわかる。
問題を選んだら、まず文章の文字数を数える。
A4用紙だと1行はだいたい16語から18語の間になる。
これに行数を掛けて総語数を求める。
それを150で割ると必要分数が出る。
その時間で読めれば、共通テストで最後まで読み切れるレベル。
120で割った分数かかったら。8割まで読めるレベル。
60点目標ならこのあたりで大丈夫。
600文字なら4分で読めれば80点以上目標コース。
5分で読めたら60点以上目標コース。
(2024年12月追記)