海外ドラマで英語学習:どうやって作品を選べばいいのだろう?について思うこと

英語やるなら海外ドラマ。今回は

「海外ドラマで英語勉強したいけど、でもどうなの?おすすめとかはあるの?」

について思うことを書いていきたい。

個人的に一時期大ハマりした海外ドラマ。このサイトでもいくつかの作品を紹介しているけれど、

視聴したタイトルの”数”で言えばそれどころではなくて、2000年代から2010年代を中心として、30とか40タイトルくらいは見ている。

海外ドラマは話数が多くて長いので、フルシーズン完走したのは少ないけど、それでもシーズン1とかシーズン2の途中までとかはけっこう見てる。

1話2話見て止めたの含めたらもっとある。なのでその頃の米ドラマはけっこう知ってるつもり。

当時はDVD、Blu-ray、スカパーe2などの、メディアや衛星放送を駆使して週末よく見ていた。

吐くほど。

日常英語とこれまで勉強してきた試験英語の違いということになるのだけれど、

例えば「海外ドラマを字幕なしで見たい!」と思ったとしても、そのためのハードルがけっこうあって…

1. タメ口系発音(音省略&リンキング)
2. 地域による訛りアクセント
3. 人種や年齢による発音
4. パンチライン(ボケや皮肉)
5. 会話バトル(ツッコミ、被せ)

などどれも共通テストや英検、TOEICのリスニングには登場しない要素。

ということでこの辺りは多くの人にとって未知・未体験なエリアになる。

ドラマの種類によっては上記のオプションが、ひとつふたつの場合や、あるいは全部盛りのパターンもある。

上記条件がひとつ加わるごとに難易度は高くなる、というのは納得できると思う。

だからボルティモアのギャングと刑事の抗争を描いた

『THE WIRE/ザ・ワイヤー』(2002年)

などは、HBO制作で評判も良いのだけど、ハードル全部盛りのドラマのため無理目のムリになってしまう。

特にHBO系は難しい作品が多い。『ゲーム・オブ・スローン』も確かHBOだった。

上で挙げたハードルだけど、このあたりは最初あまり気にしないというか、

「やりながらで何とかなるんじゃない?勉強ってそういんもんじゃない?」

くらいに感じるところなので、

「よし、じゃあコメディ系が面白そうだし。」

と『フレンズ』や『ビックバン・セオリー』、『シンプソンズ』などを見始めるのだけれど…

シーズン3になっても4になっても聞き取れるようにならない。

また聞き取れても意味が理解できない。

「ならば。」

と作品を変えるけれどやっぱり同じ状況、の連続でしだいに心が折れてくる。

コメディ系なども上記”ハードル”ほぼ全部増し増しだから当たり前なのだけれど。

この辺りは前に記事にしている。

『フレンズは難しい?シットコムで笑える英語力とはどの程度なのか』

そうしているうちに、”自分の実力にあった”方向のタイトル探しを考え始める。

でも実はコメディ系に限らず、サスペンス系、犯罪クライム系なども難しいことに気づく。

大人気『CIS』や『NCIS』『コールドケース』シリーズなどは、かなり幅広い視聴者を想定していて、

難解ではなく誰もが楽しめる物語展開だし、セリフも常識的。

それゆえの長寿人気シリーズだけど、これらでも字幕なしではけっこう厳しいことに気づく。

少しづつセリフを取りこぼしで、途中で状況が見えなくなる感覚。

「え、そしたらもう見れるタイトルないんじゃ…」

と当初の見込みの甘さに気づく。さてもう一回最初のリストを挙げて、さらに付け加えてみる。

大人ドラマの英語が難しいのは─

1. タメ口系発音(音省略&リンキング)
2. 地域による訛りアクセント
3. 人種や年齢による発音
4. パンチライン(ボケや皮肉)
5. 会話バトル(ツッコミ、被せ)
6. 専門用語
7. アメリカの文化や歴史あるある

となるのだけどでも逆に、そうではない大人向けのドラマなんてあるのだろうか?

うん、ない。

日本のドラマだって上記ハードル全部のせで、たぶんめちゃくちゃ難しいはず。

外国の人にとっては。

このあたりに気づくと今の自分の実力を見直すことにもなって、「どの作品が見たいか」から「どの作品なら見れるのか」へ

「面白そう」と「自分のレベルに合った」の妥協点作品を探す森の中へ足を踏み入れることに。

気づけば霧までも出てるし。なんだったら夜だし。

自分は延々とそこを彷徨ってた気がする。

暗い。

さてまあでも考えてみれば、大人向けドラマ・シットコムが難しすぎるのであれば

「それならば子供向けを見ればいいのでは?」

に行き着く。そう『ディズニーチャンネル』あるいは『ディズニーチャンネル・ジュニア』の作品。

これらについては、個別作品含めいくつか記事を書いてる。

ディズニーチャンネル。米ドラマで日常会話リスニング学習ならここから

とかで。ドラマを字幕なしで見れるようになりたいとか、英語やり直しはドラマでとか、留学予定・海外転勤予定あるから…とか。

全ての場合においておすすめ。まあただし子供向けです。精神年齢も下げる。

「さすがにディズニー系だけではなぁ」

実は大人ドラマと子供番組、その中間レベルに存在するドラマがある。THE CWというワーナー系の制作会社が手がけているドラマだ。

『ロズウェル/星の恋人たち』
『ゴシップガールズ』
『スーパーナチュラル』
『バンパイヤダイヤリーズ』
『アロー/ ARROW』

などなど、ちょっと古いタイトルだけど自分が見ていたのでもこれだけある。

この制作会社の特徴は、視聴者ターゲットをティーンエイジャーとしていること。

もしハマれる作品があればおすすめ。

完全懲悪系、高校生が主人公、コミックが原作、ベタな展開、ベタなセリフ。

この”ベタ”が重要。つまり予想通りということ。普通ということ。

大人にはつまらないけど、かといって子供にはちょっと理解できない、中高生の世界観。

英語学習にはほんとにピッタリ。恋愛系もおすすめ。

もう1つ最後に。ジャンルによっては大人ドラマでも結構優しめジャンルがある。

ひとつはヒューマンドラマ系。コメディ要素が抜けただけでもだいぶ楽になる。

それとファミリードラマ系。子供の台詞の聞き取りは難しいけど、それに対する大人のセリフは聞き取りやすい。

代表は『フルハウス』『モダンファミリー』(はちょっと難しかった)。

あとジャンル的にはエログロ系とかもセリフが少ないから楽は楽。でもそれでは勉強にはならない本末転倒。

あとSF系も比較的行けるのがある。

『フラッシュ・フォワード』
『アンダー・ザ・ドーム』
『ロスト』

ただこの辺りはNarrative連続ものだから、ささいな会話の断片を聞き落としてしまうと途中から流れ見えなくなってくるきつい。

なので丁寧さは必要。時間がかかるということ。

そういう意味では一話完結型は楽だ。『ゴースト』とかやさし目だった記憶。『メンタリスト』とかも。


(2024年10月)

yousafbhuttaによるPixabayからの画像