高校受験『英語』入試問題:出題構成と傾向を表にしてまとめてみる

2022年令和4年度の都立高校入試英語:時間配分や英作文のコツなど

ここでは個別の高校について英語の入試問題の構成や傾向の分析などをしていきたいと思います。

都立一般の英語問題をベースとして、そこから都立自作や私立高校の英語の問題を実際に自分で解いてみて、問題の構成や内容をまとめて表にします。

それに加えて「解いてみてどのような感じだった」かを少し書いていきます。

特に私立は都立とはまた違った対策が必要なので、もし該当する志望校があれば目を通してもらえればと思います。

リスニングの有無、文法問題はどういう問題が出るか、並べ替えがあるのか、長文は何問出るのか、説明文なのか物語文なのか、など。

高校は順次追加予定です。

高校入試『英語』問題(順次追加)

─ 目 次 ─

7) 日本大学櫻丘(2023年度A日程)

6) 東海大学附属高輪台(2023年度)

5) 富士見ヶ丘学園

4) 朋優学院

3) 國學院

2) 都立戸山(2024年度)

1) 都立一般(2024年度)

7) 日本大学櫻丘高校(2023年/令和5年度)

試験時間60分。リスニング10分。

私立型の問題構成です。記述問題はありません。

長文は大問[7]の1題のみですが、設問が10あり各3点として30点の配点。

大問内容小問数内容詳細難易度時間
1リスニング10問(1) 写真に合った説明文選択
(2) スピーチを聞いて内容一致選択
(3) 二人の会話を聞いて内容一致選択
B10分
2語句穴埋め
(4択)
5問単文中の(カッコ)に入る語句A2分
3文章穴埋め
(8候補選択)
5問8行の文章中に5か所空欄。
8単語の候補からそれぞれ一つずつ選ぶ
A-B3分
4短文要約
単文言い換え
(選択)
2問(1) 単文にふさわしいタイトルは?
(2) 文中の下線表現の言い換えると?
B5分
5文中並び替え
(4単語を)
5問9行の文章中に5か所、4語の並び替えB-C8分
6A会話文穴埋め
(8候補選択)
4問14行の会話文。
8候補から4箇所の空欄に合うものを選ぶ
B6分
6B会話文穴埋め
(8候補選択)
4問17行の会話文。
8候補から4箇所の空欄に合うものを選ぶ
B6分
7長文
(説明文)
10問38行の説明文
・下線部内容一致
・前置詞空欄
・全体内容一致
A-C20分
日大櫻丘(2023年/令和5年度)

文法知識として三人称単数、動名詞をとる動詞、前置詞toなどを問われたり(大問1)、文脈にあった単語を選んだり(大問2)、

「この文章にタイトルをつけるとしたら?」のような要約問題があったり(大問4)、で並べ替え問題(問5)。

並べ替え問題はハマると大幅に時間をとられるので注意が必要。1分以上悩むならいったん飛ばす勇気も。

櫻丘の特徴と感じたのは次の問6で、会話文の文章穴埋め。それも2問ある。

普段からこの手の会話文には注意しておきたい。

最後の長文問題7はカナダのカルガリー都市部に生息する野生動物に関する説明文。

文法的には難易度は高くないけれど…

例え全て注釈に訳があるとはいえ、聞きなれない動物の名前が5個も6個も出てきて、それぞれの動物に対する説明がされるという情報量の多い文章。

それら対する設問も細かいところをついてくるのがあり、よって本文と設問を行ったり来たりしながら解くパターン。

6) 東海大学附属高輪台(2023年度)

試験時間50分。リスニング10分。

私立型の問題構成です。記述問題はありません。

文章問題は3問あり、都立型の資料問題も含まれています。

大問内容小問数内容詳細難易度時間
1リスニング
(4択)
5問英文詳細不明
英文の応答として正しいものを選択
A-B10分
2英単語説明文
(4択)
5問ある単語を説明している文からその単語を推測A2分
3共通単語穴埋め
(4択)
5問A,B二つの文にそれぞれ空欄で同じ単語が入る。
その共通する単語を選ぶ
A-B2分
4対話文中
単語穴埋め
(4択)
5問2-3行の対話分中に空欄。
当てはまる単語を選択
B-C3分
5対話文中
並び替え
(6単語)
5問2-3行の対話分中に空欄カッコ。
カッコ内の6単語を並び替え
B-C6分
6会話文穴埋め
(4択)
5問2-3行の対話分中に空欄カッコ。
当てはまる文を選択
B3分
7文章問題
(資料文)
5問32行のレストランガイド文。
資料内容に一致した文を選択
B7分
8文章問題
(説明文)
5問19行のイギリスの祝日に関する説明文
・全体内容一致
・空欄にふさわしい語句選択
・下線部の指示内容選択
B-C8分
9文章問題
(論文+資料)
5問25行の読書とコミュ力についての調査発表
・内容一致
B9分
東海大高輪(2023年)

全体としては問題量はやや多いと感じました。

前半の文法問題はリズム良く25分前後(リスニング含め)で大問6まで終えたい。

特徴的なのは大問2の単語類推問題。

もう一つの特徴は前置詞を問われる問題が多いこと。(大問3、大問4)

この二つは意識的にやるべきことになりそうです。

あとは「日常会話分をベース」とした問題は王道です。絡めて文章穴埋めや並べ替えが問題となっています。(大問4、大問5、大問6)

後半の文章題3題はバラエティに富んでいます。

大問7は大学の共通テストでよくみるパターンの文章問題。

ウェブサイトのレストラン情報を読み比べて、共通するサービスや内容を見切る問題。本文と設問を行ったり来たりして解答するパターン。

大問8は私立らしい問題かつ内容が「イギリスの国の祝日に関する歴史を踏まえた文章」で多くの人にとっては未知の習慣と歴史が書いてある文。

速読ができないパターンの問題。

大問9は都立にも出そうなプレゼンっぽい研究発表とその資料問題。大学の共通テストっぽくもある。

設問は全て内容一致。

ということで決して難しくはないけれど、幅広い基礎力を試される問題。速読力も必要なので都立向けの長文演習も有効かと思われます。

5) 富士見ヶ丘学園(2024年/令和6年度)

未掲載

4) 朋優学院(2024年/令和6年度)

未掲載

3) 國學院(2024年/令和6年度)

未掲載

2) 都立戸山(自作問題)(2024年/令和6年度)

─ 概要─

大問[1]のリスニング20点は、都立一般と共通問題。

(5)の記述問題は難問で正答率低いが、戸山を目指すのであればそうも言ってられない。

残り80点のリーディングは、大問2つの構成。さすが自作問題校だけあって文字数が多いのと、内容が高度。そして単語もレベル高い。

加えて最後に本文に関連した英作文が50文字。ここは5-7分ぐらいで書ける必要がある。

そう考えると、80点以上を目指す場合─みんなそうだろうけど─時間配分は、

大問[2]に15分、大問[3]に20分、残り5分で作文、という感じがひとつの目安。

都立一般の問題なら7-8分くらい時間を余らせて9割くらい取れる実力があれば、戸山の英語でも70点くらい取れる感じ。


大問 [ 2 ] :会話文:1400文字:

大問 [ 3 ] :例年の「理系」説明文問題。

今回はジェイムス・ウエッブ宇宙望遠鏡の話から宇宙が膨張している話、星から届く電波が赤方偏移している話。

「知っている・聞いたことがある」と「知らない・初めて聞いた」では読むスピードが倍は違うだろう。

本文、約17文字x70行で約1200文字。プラス問題文。

虫食いが6ヶ所あり、さらに並べ替えもある文章で読みにくい。

特に並べ替えは難しかった。これ大学入試で出ても解ける人少ないと思う。

現在分詞による後置修飾と “get+形容詞+前置詞 ” の形を含む並べ替え。

大問[3]の最後に40-50語の


空所保管

整序問題

英作文(50文字)

問1:各2点 x 4 = 8点

問2:4点

問3:4点

問4:4点

問5:各4点 x 2 = 8点

問6:12点

1) 都立一般( 2024年/令和6年度)

比較の基準となる都立の一般問題。

平均点は

2024年度:66.9点

2023年度:62.8点

2022年度:61.1点

2022年度問題を解いた感想と分析、英作文のコツなども話をしましたが─

ここでは2024年度の問題を取り上げましょう。

設定タイムは80点以上を目標とするなら、の目安。

もし平均点を目指すのであれば、大問3は最後まで到達しなくても大丈夫。難しいし。読みながら解くので時間まで読めるところまで。

大問 [1]:リスニング:5問x各4点=20点

大問 [2]:リーディング+ライティング:3問x各4点+12点=24点:12分

リーディング部分は、オーストラリアからの留学生Oliverと高校生Yutaの会話からの図表問題。

・空港から家に帰る経路案内地図を見ながらの正しい記述の選択

・歌舞伎町の劇場に行く地図を見ながら正しい語句の選択

加えてオーストラリアに帰ったOliverからのメールに関して

・内容一致問題

・メールに返信する英作文(最近感動した出来事と理由を書く)

目標80点〜であれば12分以下が設定タイム。英作文を5−6分で書ければ可能と思う。


大問 [3]:リーディング:7問x各4点=28点:12分

3人の高校生が教室で図書館や語学習得、プレゼンついて会話をしている。

・会話中の慣用句などについて、それらを意味する内容の選択問題(4問)

・会話を要約した文や日記中の空欄に、ふさわしい語句を選択する問題(3問)

登場人物が多くて、かつ3人の話題が次々に変わるのがポイント。

最初の図書館の本の話題の状況把握は少し難しいかも。

設定タイムは12分。リズム良く。


大問 [3]:リーディング:7問x各4点=28点:16分

高校生のYumiが夏休みにニュージーランドに11日間ホームステイをした物語文。

大問3は問題のレベルが高いので時間がかかるし難しいだろう。

”On sunday …” とか聞かれる問題もあったり、やはり読みながら解くのがいい。

1段落(パラグラフ)読む=>該当する問題があるかどうか見る。

=>あれば回答する

=>なければ次の段落に読み進む

また、最後の問4のように主人公の心情(feel, want to)を問われる問題はまさに国語的。そしてこのような心情問題は大学受験の『共通テスト』でも見られる傾向。

・本文下線部内容の書き換え(1問)

・4つの選択肢の時系列並べ替え(1問)

・内容一致(3問)

・主人公の心情に関する選択(2問)

設定タイムは16分。読みながら解いているので、並べ替え問題はいったん飛ばすか、わかった部分だけでも順番を書いて先に進む。

ちなみにこの本文、物語の展開が早すぎて大人の自分が読むと、かえって何かを読み飛ばしてしまってる気がしてむしろなんだか難かしい…「えっえっ?」ってなる。どうでもいいか。


(2024年11月)

(2025年11月)