TWIN PEAKSツインピークス:後のテレビドラマを変えたと言われるサスペンス

秋といえば『ツインピークス』。

が時々見たくなる。あのオープニングテーマが聴きたくなる。あの世界観に浸りたくなる。

オンエアーは1990年でもう35年も前になる。そして2シーズン全30話とわりと短い。

デビッドリンチ、マークフロスト脚本製作の”サスペンス&ミステリー&群集劇”だそうだ。ウィキによれば。

ブラウザで “Why is twin peaks” と打ってみると、サジェスチョンには─

Why is twin peaks so weird
Why is twin peaks so famous
Why is twin peaks so good
Why is twin peaks so confusing

などが並び、ググると

”ツインピークスがなかったら”
”画期的(groundbreaking)”

などの検索結果が。例えば─

10 Ways Twin Peaks Changed TV Forever
Twin Peaks Changed Television 34 Years Ago Today
12 TV Shows That Would Not Exist Without Twin Peaks

なんていう記事まであるくらいで、もしアメリカドラマが好きならば、一度は見ておいていいかもというほどの─

2000年代サスペンスドラマの源流的存在。

まあでも会社にいるアメリカドラマ好きの若い子にすすめてみたら、

「見てみましたけど、何が面白いんですか?」

と言われたな、そういえば。

上記のサイトで何て言われているか、ちょっと引用すると”ツインピークスが変えた10のやりかた”として

・非(超)現実的世界観の構築
・プリクエル(前日談)という手法の導入(後日談Sequelではなく)
・ひとつの殺人事件を1シーズン半以上の物語として展開するという、この手のジャンルの枠組みを再定義
・クライムサスペンスを中心としたミックスジャンルとし、ジャンルの垣根を払った
・コメディあり、ファミリードラマあり、それらを支える際立ったキャラクター
・後世の数多くのドラマにその影響を与えた─『LOST』『The Sopranos』『True Detective』など

ツインピークスがなかったら存在しなかったであろう12のドラマ(英語)

日本でも当時めちゃくちゃ流行って、もしかするとアメリカ以上だったのかもしれない。

自分は1年か2年遅れで見たのだけれど、それでもレンタル屋のビデオ巻数が歯抜け(VHS1本に2話収録)で、順番に借りるのに随分と時間がかかった。

1992年のこと。

その後2000年代にDVDが発売されて、Blu-rayが世の中に出てきて、DVDもBlu-rayも買った。

その後も秋になると時々見たくなっていたけど、DVD、Blu-rayは処分していて見る手段がなかった。

と思っていた。アマゾンプライムの海外ドラマは英語字幕がついていない。という認識だったし。

だけどいつから変わったのか、それとも自分が知らなかっただけなのか。

先週、ツイン・ピークス(プライムビデオ)が英語字幕付きで見れることに気づいた。

久しぶりで見るのはたぶん5−6年ぶり以上。さっそく英語字幕で見る。

久しぶりに見て思ったこと。画角が4:3、絵が暗い、音が良くない。

たぶん絵も音もリマスターはしているとは思われるが。

「昔の作品に何を言っているのか?」

と言われそうだが、いやほんと最近の画音はきれいだな、と。

音については当時のマイクの性能もあるのだろうけど、部屋でのシーンとかではセリフの残響が残るので聞き取り的にけっこうハード。

Youtubeでiphoneのマイク越しに生配信しているのを聞いてる感じ。マイク位置が遠いのだろう。

だからほとんど英語字幕を見ながら、ということになる。

でいったん見始めると毎話毎話、終わり方がクリフハンガーで止められない。というかむしろどこで休憩しても同じ。

まあとはいえ、それもローラパーマーの犯人がわかるところまでだけど。

その後ボルテージは落ちるけど、このクリフハンガー感は最終話まで続く。

結局はしばらくの間会社から帰ってから寝るまで、全部で30話約22時間分は『ツインピークス』漬けになってしまった。

もう何回もこのパターン。

だけどこれが英語の勉強的に見ると若干の問題が。

自分はアメリカドラマで英語の勉強をしようと考えて『フレンズ』『フルハウス』『ツインピークス』の順番で始めた。並行しならがら。

『フルハウス』はとても役に立った。
フルハウス。古いけどリスニング入門編としてはやっぱりおすすめ

だけど『フレンズ』とこの『ツインピークス』では、ほぼほぼ何も身につかなかったと自負している。

単語力も文法もリスニング力もレベチすぎた。今思えば。

久しぶりに見ているが、やっぱり聞き取れない。いや相当難しいと改めて感じる。

北西部ワシントン州の田舎町が舞台な物語で、標準的アメリカ英語を皆話している。

黒人はほぼ出てこない。そして皆中流階級くらい。一部上流階級。

じゃあ何が難しいのか?

まずは先ほど言ったけど音質そのものも問題。これはイヤホンで聞けばいいけど、めんどくさい。

それからこれも上で言ったけど、コメディ要素があること。

つまりセリフにエッジが効いている。会話の流れの中に放り込まれる、ボケと皮肉と”文化あるある”。

ここを全部拾ってたら見終わらない。

速度の話をすればクーパーがオタク的なしゃべりで、めちゃくちゃ早口になることがある。

重要と思える捜査方針や、事件の分析解析のセリフなんかも早口のことが。

『ビッグバンセオリー』のシェルドンか!と突っ込みたくなることがある。

それから若者たちのタメ口発音もたいへん。速さ的にも発声にも。
非日常なスーパーナチュラルで、同時に日常的な兄弟会話も学習できそう

あとささやき系のセリフとかも。

日常の当たり前の会話は予想しながら聞かないと、音だけを頼りにすると何言ってるかわからなくなる。

で本来なら英語の勉強だから、何回か繰り返し再生したりしたほうがいいのだろうけど─

先が気になるので先に進む。

並行するサイドストーリーもいくつもあり、場面転換も次々と起きる。でやっぱり先が気になり

「このシーンはこれでいっか。先に進もう」

の繰り返し。何回も見てるのに。


(2024年10月)

suuszeeによるPixabayからの画像