海外に住んでいるのに英語が上達しないけどどうすればいい?について思うこと

海外在住者にとって永遠のテーマ。

「せっかく留学したのに」
「ホームステイ楽しかったけど」
「仕事の関係で生活してるんだけど」

だけど

「思ってたよりも英語話せるようにならない・・・」

海外滞在者(旅行者ではなくて)あるある。なんでそうなってしまうのだろう?

今回は自分の反省を踏まえて「どうすれば、まだよかったのか?」を考えてみたい。

「外国行ったから、住んだからって英語が喋れるわけじゃないんだよね。」
「けっこう機会はあるんだけどね。」

ということはけっきょく、自分たちの語学の習得センスはあまり関係なくて、やっぱり

”日本語が英語と違いすぎるだけ”

なのだろうか?そうではなくてやっぱり─

”自分達の学習方法が非効率”

ということなのか?

自分はワーキングホリデーでオーストラリアに半年ちょっといたことがある。そこでは

・ホームステイ
・半分以上外人の語学学校
・イギリス人とフラットシェア
・独力バックパッカー旅行

というような経験が少しだけある。ちなみに帰国後に受けたTOEICが730点。英検が準1級2次面談不合格。

そんな海外生活の中でしんどかった場面は─

・語学学校の永遠と朝まで続くパーティー。
・ホストファミリーの来客との会話。ホームパーティでの会話。
・シェアしてたフラットにイギリス人の仕事同僚や顧客が来た時。
・フラットの住民との交流

まあこれらは別に日本語でもしんどい時あるけど。

会話が続かない原因は2つ。

喋ることが思い浮かばない、コミショウであること、は抜きにして。

聞き取れないこと。喋れないこと。取れない投げれないではキャッチボールは無理だ。

でも聞き取れないことに関しては、相手が多少なりとも興味を持ってくれれば

相手はそれなりに容赦した発音とスピードで話してくれるからあまり問題ではない。

山なりのボールをアンダーハンドで投げてくれる。まあオーストラリア訛りはそうも言ってられなかったけど。

なのでより問題は自分が投げれないこと。自分の言いたいことが言えないこと。

「そんなことはわかってる。」

まあそうだよね。それをどうにもできないから悩んでる。

そこで振り返ってみると

「喋る練習とか訓練しましたか?」

と言うことになる。

「自分の言いたいことを言えますか?」

という自問になる。ここは自分も振り返って失敗したと思っている。

・NHKラジオ英会話を聞いたり
・映画のスクリプトを読んだり
・英語の本を読んだり

いろいろしたけど、全部インプット。

というかアウトプットの仕方がわからなかった。突然「喋れ」「書け」と言われても途方にくれるし。また、

「会話の始まりはまず、相手の言っていることを理解してから」

という先入観というか固定観念もあった。

だけどちょっと考えれば、カタコトの外国人に対して、誰が映画のような速さと内容で話かけるだろうか?

リスニングは、実はそこまでは重要ではなかったのだった。みんなゆっくりと、単語を選んで話しかけてくれた。

なのでやるべきだったのは逆方向のベクトルで

・しゃべる練習をすること
・言いたいことを言う練習をすること

でも当時はそのやり方がわからなかった。想像もできなかった。

ではどうすればいいか?

・文法をしっかりやる
・日本語->英語の変換練習をやる

ということになる。

・「学校から10ページも宿題やれと言われている」
(=>使役動詞と第四文型SVOO型)

・「午前中うちの犬見かけた?」
(=>現在完了形の継続用法)

・「英語勉強するためにオーストラリアに来たんですよ」
(=>不定詞の副詞的用法)

・「昨日買った本がすごい面白かった。」
(=>関係代名詞目的格)

・「地図がなかったら、ここには来れなかった。」

(=>仮定法過去)

・「日本語で書いてある本売ってますか?」

(=>疑問文)

英語でこれらの文法使ってさらっと言えるだろうか?

文法を知らないと、言いたいことが言えない。

ヨーロッバ言語と違って日本語と英語は語順が違うだけでなくて、文法も全然違うというのはわかってはいる。

だからそこは意識している。

”なんとか年齢”までは無意識で習得できてバイリンガルになれる、とはよく聞けど

その年齢を超えたら無理なのも承知してる。

でこの前Youtubeで日本語ペラペラ、お笑い動画みて大爆笑、の中国人のチャンネルをたまたま見たけど、

彼女たちはめちゃくちゃ日本語の文法用語を知っていて少し驚いた。

大人がシステムの異なる外国語を学ぶには、そうやってロジカルに学ぶ必要があるのだろうと思った。

だから英文法をしっかり頭に入れて、言いたいことを話す練習をすればよかったと思っている。

あとはもう1つ。疑問文使えますか?

話しかけてもらうことには慣れていても、自分から話しかけるには疑問文。

YES/NO疑問文はまだいいんだけど、疑問詞系(what/which/…/how)は実際に使おうとするとけっこう難しく感じる。

というか不慣れという方が近い?

「昨日買ったって言ってた本なんの本?」

とか。

肯定文でのSOV=>SVO変換に加えて、疑問文ではもう一捻り語順が変わったりして(というか戻る?)モヤモヤする。

この練習もしておきたかった。

上で「聞き取りは先方がゆっくり話してくれるし」とは言ったけど、それでもオーストラリアやイギリスのアクセントは人によっては聞き取り不能。

発音やアクセントがアメリカ英語とは違うのでゆっくり喋ってもらっても聞き取れないという…

まあこのあたりの「そもそも無理ゲー」問題は

イギリス英語になると聞き取れない!これも日本語の影響なのだろうか?

とかで少し考察してるけど。

ということで、現地にいるとかいないとか関係なく、日本語=>英語変換の練習をするべきだったと反省してる。

つまり文法とアウトプット。当時は現地ではテレビ見たり、本読んだり、語学学校まじめに通ったり。

全部インプット。

そして「文法はまあ大丈夫じゃないかな?」マインド。

そうではなかった。

アウトプットと文法こそ大切。インプット、アウトプットの話は

語学習得でも学習ピラミッドは正しいのか?アウトプット型にして効果を確かめる

で自分なりの結論に達している。

そして最後。

「いや現地で暮らしていればいやでも英語脳になるのから、日本語脳で考えるとかむしろダメなんじゃない?」

に対しては

「海外未経験ですよね?」

ということと

「その中間状態が広大に存在する」
「そもそも完全英語脳になるのは不可能」

という感じでしょうかね。

日本語脳と英語脳を手動で切り替えて行き来するような状態が、大人から英語始めた一般人のゴールではないか?と。

自分の思いや考えを表現する、を考えたときに最初は日本語=>英語変換を練習する。

ということで日本語で書かれた文法書ライティングドリルをやりたい。

「現地にいたら日本語の文法書ないでしょ。」

そうなんだけど、英語の ”Grammar Workbook” 的なもの、はなぜかあんまりタメにならなかった記憶。

なぜなのだろう?と考えたときに

「これらは母国がSVO言語の人向け」

だという思いに達した。加えて形容詞句の後置修飾システムのある言語向け。

英語と同じ順番で考える、変換作業のいらない母国語を持つ国の人ならそれでいい。

だけどSOVで考える国の人、形容詞が名詞の後ろにあるなんてあり得ない母国語の我々は

・SOV -> SVO:変換
・名詞+形容詞句 -> 形容詞句+名詞変換

の同時並行変換練習をしないといけない。

日本語と英語では動詞の順番だけではなく、名詞と形容詞句・形容詞節の順番位置まで逆。

だからちゃんと意識的に練習しないと身につかないんだと思う。


(以上、2024年9月)


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