非日常なスーパーナチュラルで、同時に日常的な兄弟会話も学習できそう
イケメン俳優ジェンセン・アクレスが主人公の兄ディーンを演じ、題材は”男っぽい”のにティーン女性に人気のあるCW制作ドラマ─
『スーパーナチュラル(原題:Supernatural)』
の英語リスニング・レビューです。
向こうの、やんちゃなイケメン特有の発音が聞けます。
筆者はこの作品の世界観にハマり、一時期ヘビーローテーションでこればっかり見ていました。
(追記、2023年8月)
スーパーナチュラルは現在も、hulu(フールー)で視聴可能です。
英語/日本語字幕の表示ができます。もちろん日本語吹き替え音声あり。
(以下、2021月3月のオリジナル記事)
1. 日本でも当初大人気で
本国の手応えの良さから日本版制作も力が入ったようで、お笑い芸人の方が日本語吹替えを担当しましたね。途中まで・・・
現在でもDVD、BD、CS、配信とあらゆるメディアで視聴できます。
作品は2005年にシーズン1が始まり、ファイナルシーズン15(2019年)まで数えた名作ドラマ(注:個人の感想です)です。
Huluでは英語字幕が表示できることがわかっています。
CSの放送は最新のシーズンを含めて新し目で、時々昔のものを放送するイメージです。
本項では筆者の視聴したシーズン4の途中までを対象としています。BDで視聴しています。
配信でスーパーナチュラルを英語字幕で見るとすれば2. ただし全体としての学習効率は映画並み
この作品をいくつかのワードで表現するとすれば、
「怪奇事件、悪魔デーモン、天使、ゴースト、モンスター、民話、妖怪、ハードロック、シボレーインパラ、ロードムービー、毎回女性ゲスト、美人、バディ、家族、兄弟・・・」
でしょうか。
アクションシーンが比較的多く、そのため全体的にセリフは少なめ。内容はほぼ非日常です。
ということなので、特に日常会話を多くインプットする必要がある学習初期段階においては、参考になるセリフはあまり多くはありません。
ただひとこと加えるなら、確かに単語やセリフ内容は非日常的かもしれません。
でも文法には日常も非日常もないな、という考え方はできるかも?
・・・ちょっと強引か。
ドラマは基本1話45分完結の体ですが、ベースとなるプロットも並行して進行しています。
それらが良いバランスで、結構連続物としても楽しめます。先も気になる感じ。
なので見る時はちゃんとシーズン1の1話から。
シーズンをまたいで同じキャラクターの登場あり、フラッシュバックあり。
また連続して見ていないと意味のわからないセリフがありますね。人の名前も。
「え、誰だっけ?知らない。」
ってなります。
45分ドラマのため、英語の勉強と考えると若干長い感じもしますが─
会話量が少なめなので1話あたりのセリフ量は、他の45分ものドラマと比較するとだいぶ楽です。
3. 始めやすい聞き取りレベル
CW(CBSワーナー)の視聴者はティーンが中心です。
そのため複雑なロジックや緻密なプロットはありません。聞き取れさえすれば内容は理解できる感じです。
悲しみや怒りや恐れといった感情的なシーンは全体的には平易な言葉遣いになりますしね。
それとこういう事件ものを見ていて気づくのは、
被害者や加害者から、事件に関わる聞き取りをするときなどお互いが初対面の時は
丁寧な発音になり聞き取りやすいことです。
両者の関係で英語の音声の崩れ方が異なるパターンですね。
その一方で兄弟の会話、ボビーとの会話、ルビーやメグとの会話
これらは身内意識になって早口や曖昧で聞き取りにくい発音になることもわかります(日本語にも省略発音があるように)。
ドラマの世界観に従って、古い民話や土地伝説の妖怪の名前、
あるいは聞いたことのない古文書の名前、それらに纏わる会話・・・
かなりマニアックな内容が初期シーズンはよく見られます。
その場合、聞き慣れない名詞がよく出てきますね。しかもここでしか聞かないような単語。
4. 登場人物は、ほぼ全員アメリカンアクセント
兄弟やその家族、友人関係、登場するゲスト、ほとんどが白人のアメリカ人です。
シーズン2から登場の、ベラ(Bela)がイギリス英語を話すくらいですね。
ゲストの人選も比較的一定です。
影のある美人やイケメン。
ステレオタイプなアメリカ人─パリピなノリで元気がいい─
そのようなゲストはあまりいないです。
そして全体的に寒々しく淀んだトーンが画面を支配します。
時々アフリカ系アメリカ人ゲストが、ディーンたちと同業のライバルハンターや警察役などで見ることができます。
アジア系やラテン系のゲストはほとんどいませんね。今のところ。
そんな世界観で笑いのシーン・・・
そこそこあります。
基本的にはありませんが要所要所で入れてきます。
ディーンですね。
イケメンで長男ですが二重人格キャラ。
チャラいキャラが前面に出てきたとき、セリフ聞き取りはかなり難しいですね。
そしてシーズンに1話程度は「コミカルエピソード」的な回があります。
スピンオフ的に本題とは離れて、普段とは違う雰囲気で、シーズンが20数話ある中で良いアクセントになっています。
このドラマ、女性ゲストはあっても毎回登場する女性の主人公はいません。
男同士の言葉遣い(単語)や発音の一端を学ぶことができるバディドラマです。
恋愛に纏わる会話やシーン、プロットはゼロではありませんが多くはありません。
基本的に女性は事件の被害者か敵役(デーモン)ですね。味方の女子はいない。
いっつも敵。笑
口調や発音に関してはラフな部分があります。
ですが映画のようにスラングなどのセリフはありません。
CWはティーン向けの放送局です。
5. 個別キャスト、リスニングレビュー
以下に主要キャラクター別の話し方の特徴を説明します。
・「明瞭度(滑舌や声量)」
・「しゃべりの早さ」
・「訛り」
を中心にレビューしています。参考のために声優の出身地を検索し(判明していれば)併記しています。
・サム・ウィンチェスター(Jared Padalecki)
法律系大学出身の設定。次男。
普段は滑舌よくスペル通りの丁寧な発音。
オカルト周辺の話題になると、発音は明瞭なままオタク的な早口になる。
感情的に慌てても不明瞭な早口になる。これはみんな一緒。
頭脳明晰でしゃべりが脳に追いつかない印象。
テキサス出身。南部訛りないです。
・ディーン・ウィンチェスター(Jensen Ackles)
長男。
幼少から父親につきディーモンハントでアメリカ中を回る。そのため学歴がない。
イケメンのためほぼ初対面の女性でも落とせる。
ディープボイスで喉奥からの発声。あまり口も開かない。さらに役作りでラフな発音を乗せている。
いわゆるタメ口発音。
普段コメンタリーやインタビュー等で聞く素の喋りは、だいぶ聞きやすい。
特に文頭が難しいです。うにゅうにゅ、って始まる。
加えて(面白くない)冗談や皮肉を言うので、聞きなれない単語も加わりキャラクターの中ではもっとも聞き取りに苦労する。
訛りなし。彼もテキサス出身。だから2人はカメラの外でも仲良し。
・ジョン・ウィンチェスター(John Winchester)
2人の父親。
聞き取りやすい。
役者はワシントン州シアトル出身。
・メグ(Nicki Aycox)
デーモン(シーズン1)。
聞き取りやすい。
役者はオクラホマ州出身。
・ボビー・ジンガー(Jim Beaver)
主人公二人のメンター的存在。
基本聞き取りやすいが、ところどろで滑舌悪くなる。
二人との掛け合いになると早口不明瞭になる。
役者はワイオミング州出身。
・ルビー/リリス(Katie Cassidy)
デーモン(シーズン2)。
聞き取りやすい。
役者はカルフォルニア州出身。
・ベラ(Lauren Cohan)
ライバル的存在(シーズン2)。
作品唯一とも言えるブリティッシュ・アクセント。
役者はニュージャージー州出身。
母がイギリス人。13歳からイギリスで生活。
総合リスニング難易度 [☆★★★☆☆](2-4)ドラマとしては普通程度の聞き取り難易度
[記事] ネイティブの英会話に行く前にまずは英語のできる日本人に習いたい
(以上、2021年3月)