TOEIC対策として利用:CNNイングリッシュエクスプレス「TOEICを受験した」第4回

2023年春は準備をして:アウトプットの成果で800到達『TOEICを受験した』第3回

(DEEY─)『イングリッシュジャーナル』なきあと、唯一と言っていい民間の英語学習月刊誌、『CNN English Express』。

これをTOEIC受験用の教材として使用してみたら割と手応えがあったので、少し紹介できればと思います。

ちなみに執筆時点の最新号(2023年8月号)の表紙上部にも

「TOEIC 500点台でも800点台でも<英語力を爆上げ>」

とありかなり意識したつくりであることは疑いようもありません。

以下実際に自分がやっている勉強方法も紹介します。実は2年ほど前に、”リスニング力向上を重点に置いた使い方”として紹介しています。

今回は前回とはだいぶ異なり”アウトプット”な内容になっています。


2025年2月。発行元の朝日出版がNOVAによって買収されるとの報道がありました。創業者の死去によって以前よりM&A絡みでもめていたそうで。

ただ買収は業績の問題が要因とは書いてませんでした。

とはいえ旧『イングリッシュジャーナル』のアルクも大変そうですが、こちらも大変そう。英語の勉強もネットでできてしまう時代。

ちなみにここ2年毎年値上げ。2016年3月から長い間1,263円でしたが、

・2023年10月 -> 1,375円
・2024年12月 -> 1,540円

ちなみにページ数や内容は維持されています。

自分は今年6月に受験した800点(L410/R390)です。過去から現在までTOEICを意識した学習をしたことはあまりありません。

ただ模試テキストは試験前5月に購入しLRそれぞれ一回分実施しました。大学受験の過去問集と同じ感覚で、出題内容と時間配分くらいは事前に把握しておきたかったからです。

そしてこれに関して意味はとてもあったと思います。

『CNN English Express』(以下『CNNEE』)に関しては今年2023年から始めていて、やる気なければ15分くらい。やる気があっもて1時間以上はやらないようにしている感じ。

その代わり毎日やっています。「土曜は」とか「日曜だから」というのはありません。言葉に休みはありません。そこだけは歯磨きだと思って一瞬面倒でも手に取ります。

CNNEEの醍醐味は別冊付録の問題集なのかなと思ったりします。

本誌を発売日に頭から始めると、次の号の発売日までに辿り着かない別冊問題集。

しかも内容クオリティもなかなかハードコアで、モチベーションないとチラッと開いてみるものの、やっぱり閉じてしまうような問題集。

疑問文そのもの難しさ、質問のレベル、解答選択肢に含まれる単語熟語のレベル、反訳の面倒さ、脳疲労。本編だけでも大変なのに。

ですがTOEICを気にするのであれば、本編はやり残しても別冊前半の問題集はやり残さない。むしろじっくり取り組むのがいい気がしてます。

その理由は次項─

TOEICで200個含まれるもの。それは

疑問文

CNNEEの別冊問題集前半はさながら疑問文の例文集。ただしレベルは高い。そんな言い方ができるんだと感心する疑問文が並んでいる。

この疑問文がさらっと理解できるなら、TOEICの質問でつっかえることはないと思います。解答時間短縮に貢献するのではないでしょうか。

疑問文けっこう難しいですよね。

続TOEIC全200問に必ず含まれるもの。疑問文(前出)と、

その解答の「選択肢」

CNNEEの別冊問題集前半は問題集。疑問文の慣れ同様に4択パターン(解答の取捨選択)の練習も出来る。

言い換え選択肢、断言的選択肢、全く見当違い選択肢、数字だけ違う選択肢、匂わせ選択肢

リスニング中に普段から「このあと内容に関して質問される」と構えて聴く癖がつく。余裕ができたら本文聴きながら問題を解いてしまう練習もできる。

余談ですがCNNEEの内容はビジネス特化のTOEICよりも当然話題範囲は広いです。

国内外政治、刑事民事裁判、憲法問題、人権問題LGBTQなどセンシティブでタブーな内容が結構ある。

TOEICではこのあたりのジャンルは出題されていないと思うので、内容や語彙はTOEICよりは難し目だと思います。

さて本編冊子の話ですが─、いつからかは知りませんがTOEICのスピーカーにイギリス人やらオーストラリア人が混じるようになったようです。

先日の試験でもチャート付きリスニング問題でイギリス人女性話者のものがありましたが難問でした。私には。

CNNEEのニュースダイジェストは、この辺りを考慮していると思われます。

というのも読み上げアンカーの国籍がバラエティに富んでいて、むしろアメリカ人が少ないくらいです。参考に2023年8月号を見てみましょう。

・基礎トレーニング1:オーストラリア英語
・基礎トレーニング2:オーストラリア英語
・ニュースダイジェスト1:イギリス英語
・ニュースダイジェスト2:オーストラリア英語
・ニュースダイジェスト3:オーストラリア英語
・ニュースダイジェスト4:イギリス英語
・ニュースダイジェスト5:アメリカ英語
・ニュースダイジェスト6:カナダ英語
・ニュースダイジェスト7:イギリス英語
・ニュースダイジェスト8:イギリス英語

むしろアメリカ人はひとつだけでした。やはりあえてそうしている。アンカーが何英語を話しているか記事右上に表記があるくらいですから。

TOEICではアメリカ英語のリズム抑揚が続く中、突然変調・転調的にイギリス英語やオーストラリア英語が挿入されるのでかなり戸惑って動揺します。

ニュースダイジェストは8個のニュース一気聴きが練習になるのかもしれません。リズム変化対応練習。

『CNN English Express』は単語やイディオムに関する解説はとても丁寧で詳解です。

単語・用語が本文と共に覚えられるメリットと併せてとても記憶への定着率がいいと思います。

覚えるべき重要単語はCNNニュースでも頻出ですから、一度忘れても繰り返し出てきます。

また「ああそういえば昔のあのニュースに同じ単語出てきてたような」という引っかかりで当時の記事を引っ張り出してきて「ああやっぱり」となれば、この単語はほぼ脳内に定着します。ほぼ。

最後にCNNEEが最も優れているのは「反訳」推しの方針かなと考えてます。

TOEICで必要なことは速読にあると思います。リーディングセクションを最後までやり切るにはそれなりの速読が必要。180WPMくらい?

そして速読ができるならリスニングも楽にできるようになります。これを日本語に当てはめます。

例えば今この段落 [7) 反訳] は冒頭の書き出し「最後にCNNEE〜」から始まって「ここ」まで文章を黙読すると18秒くらいになりました。

では声に出して読み上げます。─25秒かかりました。結果黙読の方が圧倒的に早く音読は時間がかかる。

しっかり読める能力があるのならリスニングは「かったるい」く感じる。

とういことは「文章は読めるけど、リスニングは置いていかれるなー」というのは、実はそれは「読めていない」のです。

そしてその原因こそアウトプット不足なのかなと思っています。3行くらい行間論理飛躍してるかもなのですが、そうなるのかなと。

『CNN English Express』は反訳の重要性を説き、反訳用にスラッシュを入れ込んで日本語訳にしてくれています。

それは─、「自分で文章を組み立てる練習をするから、相手の文章の先が予想できるんです。」というメッセージだと私は理解しています。


(以上、2023年7月)

『TOEICを受験した』シリーズ続編:第5回
公式問題集や模試:やらないともう圧倒的に不利な時代『TOEICを受験』第5回