大谷選手のゲームから:MLB現地放送の英語表現や野球用語70+

2025年メジャーリーグ放送:アマゾンプライムでMLB.TVが見れるようになった

週末にNHKBS1でLAA大谷選手(おととい40号)の試合中継を副音声で見ていて

「メジャーリーグの現地実況で話している英語表現を拾ってみようかな?」

と思って副音声でゲームを見ながら、基本的でよく耳にする言葉や専門用語などを選んで、聞こえたものを書き起こしてみました。

ちなみに今回視聴した試合は、

・2023年8月5日(土):マリナーズ vs エンジェルス
・2023年8月6日(日):マリナーズ vs エンジェルス

の2試合でNHKBS1で放送されたものです。

副音声で両日ともに現地実況はBSW(バリースポーツウエスト)。実況パトリックオニールさん、解説はマークグビザさんです。いつもの方々。

いや暑い。猛暑日は16日連続ですか。


2025年シーズンはアマゾンプライムでMLB.TVが見れるようになった。

本家MLB.TVと同サービスのようです。


(2023年8月、9月、追記)

その後もゲーム見ながら気になった表現を追加しています。


Los Angeles Dodgers 対 New York Mets

アメリカなので単位についてはふたつ。

・1マイルは1.6キロメートル。
・1フィートは0.33メートル。

hundred miles“と言ったら”時速160キロ”
four hundred fifty feet homer“は、1/3にして”150メートル弾”

人の名前の発音に関して中南米の選手人の名前で「J・G」の発音は「H」になります。

・julio「フリオ」
・jesus「へスース」
・Rengifo「レンヒーフォ」

メジャーリーグに限らずですが、スポーツの実況を聞いていて特徴的なのは、

1)無生物主語
2)受け身表現
3)倒置
4)主語の省略
5)主語Youの多用

でしょうか。

1)の無生物主語はむしろ英語の特徴とも言えるかもしれません。チーム、ボール、プレイ、すべて無生物。

2)、3)については目の前の状況を実況しようとすると、

「ダブルプレーがなされた」
「ボールは引っ叩かれて、フェンスを余裕で超えて行った。」
That ball (was) crushed and went well over the fence.

などなど無生物(ボールやプレイ)が主語になりやすいので受け身表現になる。

状況ファーストなので倒置型もよく用いられる。

Sliding into the second base… is mookie betts.

先に補語、主語は最後。滑り込んだけどそれが誰かがわからなくて、途中でムーキーとわかったのでそういう順番になる。

…これくらいだと、日本語でも言うか…

4)の主語の省略については、目の前の映像に写っていて共有認識できるものは省略されますね。

It is, He is, It, That

なので動詞から聞こえます。あるいは …ing, …ed で始まる分詞構文的になる。

5)の主語がYouも多用されます。解説などで一般的な話をしようとする時はYouが主語になります。これは野球だけの話ではないけど。

例えば、フリオロドリゲスが速球をうまく打ち返しましたが、センターライナーでした。解説のグビザさんは、

You can’t hit that fastball other than like that.
「あれだけの速球ですから、打つ方もあれが精一杯でしょう。」

と言っています。打ったフリオに限った話ではなく一般論で話しています。

That (will) bring(s) up Shohei to the plate.:「そして、大谷がバッターボックスに向かいます。」

out in front:「体が泳ぐ、前のめり」。打者の実況解説ではとてもよく聞かれる表現で、多彩な場面・状態で使われてます。

直訳は文字通り、「重心が外れる(out)/前方に(in front)」。体勢が前方に崩れる状態。良くも悪くもニュートラルにも使われているイメージ。

打者では右打者で聞くことがほとんど?外角の球にツンのめったり、うまくライト方向に捌く感じ。

third time through :「(打者)三巡目」

Luis, Shohei, C.J (are) due up at the bottom of the 6th.:「6回裏の攻撃オーダーは、ランヒーフォ、大谷、クロンです。」

dish:「ホームプレート」

check swing / checked swing:「チェックスイング」。日本では何て言ってますっけ?
だいたいはスイング途中でバットを止めて見送る体制。当たってもファウル。half swing にも行かない感じ。

仮にバットにボールが当たって、挙句フェアとなって、さらに一塁セーフだと、excuse me swing と言う。「当たっちゃった、おまけに安打で失礼」的な。

square up:「(体勢を)きっちりとする」->「(ボールに)身構える」。

squaring up, squared up:「きっちりと打ち返す」

square up to push that bunt just inside the third-base line. ::「構えてバントを三塁線ギリギリに転がす」。
buntは、名詞(バント行為/バントしたボール)としても使えるので、このような場合、聞いていると妙な感じがしますね。
to push … は不定詞の目的副詞用法。「〜するために」

tried to bunt the ball down the first baseline.:「一塁線にバントをしようとする」

こっちの感覚はまあそうですよね。to不定詞名詞用法。

show the bunt:「バントの構えを見せる」。この場合は、バッターが一瞬、バントの構えをするけど引っ込めた状況。

Shohei has been all over the game/place/field tonight.:「大谷さん大活躍」。どこにもいる感じ、と英語は表現するみたいです。

chase :「(変化球についていく/合わせる」「追う、チェイス」。ヒットにはなってもホームランにはならない感じ。パワーヒッターはなるか。

Ohtani (is) waiting (in the) on-deck circle.:「ネクストバッターサークルには大谷です」

a swing and a miss:「空振り」

shaking it off :「ボールなどが当たって痛みに耐えている」。実際にshakeするわけじゃないけど、痛みを何とかやり過ごそうとしてる状態。

tried to get out of the way.:「そこを避けようとしたけど」。デッドボール(hit by a pitch)の時とか。

duck out:「(高めの球に対して)しゃがみ込んで避ける」

got him on the foot.:「(自打球など)を足に当てる」。この表現多い野球に限らないけど。hit him right in the head.「頭直撃」。

got barrel on it:「(ボールが)バットの芯を食う」

just got a piece.:「ファウルチップ」

stays on the curve ball.:「カーブについていって」。ヒットとかホームランの場合に stays on 「待ち構える/見極める」的に使いますね。

lays(laid) off that split and walk:「スプリッターに手を出さない/見切ってフォアボール」

cut that one off :「カットスイング。だいたいベンチ方向にファウル」

eleven in a row (have been) retired since then.:「以降、11打者連続で凡退」

handles that ball in on his hands as well as anyone in the Dodgers:来たボールをうまく処理してヒットにした場面

rip the right:「ライトを引き裂く」「(右打者が)ライトに痛烈な当たり」

punch out:「三振」。ボーリングの10フレームの三連続ストライクがパンチアウトですね。

secondary pitch:「変化球、ストレート以外の球」。off speed pitch ともいう

quality start:「クオリティスタート」。先発がちゃんと100球投げること。

got him (on a ) looking/swinging:「見逃し三振/空振り三振に取る」

all over the plate:「ストライクゾーンを目一杯有効に使う」良くも悪くも球が散って、打者が絞れない状況。

give up two-run homer:「ホームランを打たれる/献上する」

the ball in there:「ストライクゾーンに入っている」

elevated:「高めに浮いた(球)」

got him on a chase:「泳がせて/おっつかせて、打ちとる/三振をとる」

Shoei couldn’t make it out of 4th inning because of his finger cramp.:「(指の痙攣で4回もたなかった」

make it out やり過ごす/持ち堪える。

pick off:「走者を牽制球で刺す」

Smith had been in a sticky substance suspension.:「スミス投手は粘着物質使用でしばらく出場停止でした」

pitch time violation:「ピッチングクロックのタイムオーバー」。カウントにワンボールプラス

try to make a quick delivery:「(走者がいるので)クイックモーションで投げる」

That was a little bit awkward follow trough.:「投げた後のフォロースルーが少し変だった」

awkward swing(おかしなスイング) とか awkwardly (変な感じ)とかよく出てきます。大抵怪我の原因となったプレーの時。嫌な感じ。

(quick) one-two-three inning:「(さくっと)三者凡退」

on a same page:「同じベーじにいる」->「意志の疎通が取れているか」

have a discussion to make sure they’re on a same page.:「話し合いをもつ/確認するため/同じページにいるか」。
ピッチャーとバッターのサインが合わない時にキャッチャーがマウンドに駆け寄って確認している状況。

pull:「ひっぱる」->「投げる時に指に引っ掛ける」。
pull it down in the dirt:「引っ掛けてワンバン(の投球)」。
pull the ball a little when throwing:「引っ張る/ボールを/少し/投げる時」。指にボールが引っかかってしまう状態。

glove side:「グラブ側」。ピッチャーのグラブを持つ方に相対するホームプレートの側。

右ピッチャーならプレートの左サイド、左投手ならプレートの右端。投手のベース上のコントロールの話をする時によく聞く。
日本語にはない表現だと思う。
Let’s focus on him throwing to the glove side.:「注目しましょう/彼が投げる/グラブサイドに」->「ホームプレート左への投球に注目しましょう」

count squares up:「カウントが正方形になる」->「カウント2-2」。count even at 2-2 という言い方も。1−1でもイーブンなので、カウント(2−2)を明示している。

put Garcia away:「ガルシアを片付ける(アウトにする)」。日本語でも片づける的な表現をする。

That was a beautiful double play turned by Moustakas.:「すばいらいいダブルブレー/変えられた/ムスタカスによって」「(ムスタカスだからこそのダブルプレーですね。[無生物/受け身]」

turnなので、ムスタカスがダブルプレーに変えた。他の選手ならダブルプレーにできなかったかもしれない。

fielder’s choice:「フィルダーチョイス」。日本の野球でも使われてますが直訳は、

「野手の選択(フィールダーズ・チョイス)」。

ショートがセカンドに投げることを「選んだ」のです、ファーストじゃなくて。失敗だったけど。自分はそういう意味とは全く知らなかった。

double play:「ダブルプレー」

That was the 13th double play produced by KIRBY this year. :「今のがカービーの今シーズン13個目のゲッツー」

get-two(ゲッツー)は和製英語。でも現地のプレーヤーがそれ聞いて、「ゲッツー?なるほど、いいかも!」って言ってるのを見たことある。NHKBS1の1コーナーだったか。

gets in the way:「その道の中で/状態になる」「(走者の前に)立ちはだかる/邪魔をする」

roll it toward the short:「ショートへのゴロ」

tag:「タグする」->「タッチする」。touch とは言わない。
tried to apply a tag.:「打者にボールでタッチをしようとした」。

make the catch:= catch。
Closing in, making the catch to end the inning.:「ボールに寄って。取りました。この回終了」。スリーアウトの時の定型表現。to retire the side とも。

it was almost catcher interference.:「もう少しで打撃妨害だった」

calling for it to make a catch:「それを求める/取るために」ポップフライとか上がった時に自分が取ると身振り手振り声出し。

The ball has dropped where the no man’s land is.:「打球は誰もいないところに落ちました。」ポテンヒット(a blooper)が内野と外野の間の誰もいないところに落ちたんですね。

ちなみに複数形の bloopers になると「珍プレー集」とか「NG集」という意味で使われます。

Sliding into the second base… is Luis Rengifo.:「セカンドにスライディングしたのは・・・レンヒーフォです。[倒置]」

picked off:「走者が牽制アウトになる」

caught stealing:「盗塁失敗」

two men stranded:「2者残塁」

lead-off man (is) on the board:「先頭打者が塁に出る」

bases are still loaded:「それでもまだ満塁」

beat the throw to the first base.:「送球より早く一塁に走り込む」。内野ゴロとかで、ギリギリのタイミングでセーフになった時とか。

got him on a slide.:「あと一歩及ばずアウト」

bang-bang play:「際どいタイミングのプレー」

see if Moniach takes off:「モニアックが一塁をスタートするか見てみましょう」。ヒットエンドランをやるか、盗塁をするか、みたいな場面ですね。

hit and run:「ヒットエンドラン」英語でもヒットエンドラン。うん。

tags (up) and advances to third:「ライトフライで、ランナーがタッチアップしてサードへ」。タッチアップ(touch up?)も和製英語ですね。英語では tag「ピッタリつく」 を使う。

thrown out of the game:「退場させられる」

we’ve got a (brand new) ball game.:同点に追いついた時など、(新たなゲームです)という言い方をする。あるいは単に、It’s a ball game! とだけ言う。

we’re not worthy.:「私たちには価値がない!」。番外編というか。大谷さんのホームランで、時々解説のグビザさんが、喜び半分驚き半分で口走るのですが・・・自虐?

much as you can get :「やれること目一杯。それが限界」文末によく出てきます。”アズユキャンゲッ”って聞こえるのは、これ。

all momentums now has the angels.:「ゲームの流れはエンジェルズになった」

momentum swings in this game.:「シーソーゲームになりました」。”流れ”とか”主導権”とか、英語ではモメンタム(慣性力)になります。

how much Julio turns things around the Mariners.:「フリオがマリナーズの状況をどれだけ変えたか」。モメンタムはターンして変えれる。

trying to making the case.:「オフの交渉などの材料となるアピールケースとする」。今回の登板の結果とかをthe caseとして後々の交渉時に引き合いに出すんでしょう。

walk us through the moment when you were… :「あの場面を振り返ってもらえますか?」。ヒーローインタビューで美人お姉さんが最初に聞く質問です。

do whatever we can do to help our team win.:「チームが勝つためなら、できること何でもやるよ」。インタビューの締めくくりで優等生がする常套句です。

because of oblique tightness, Shohei is scratched from the lineup for today.

「わき腹の張り(腹斜筋の締め付け)で、大谷は先発から外れています。」stiffness も使われますね。こっちは「こわばり」的な意味で。

Shohei Ohtani was diagnosed with a torn ulnar collateral ligament in his right elbow.:「大谷選手は右肘(関節の)内側(尺骨)側副靱帯の損傷と診断されました。」

実況では略してUCLと言われていましたね。アメフトでは膝、前十時膝靭帯のACL(anterior cruciate ligament)が頻繁に聞かれます。ligament(靭帯)の怪我はスポーツをしていると避けられないです。

あー、7回途中から土砂降りで音聞こえないー。おまけ。

『私を野球に連れてって』

2拍子(4拍子?)で結構アクセントの取り方が難しいですよね、途中から裏拍。

ィクミートゥーザ、ールーム

イクミトゥザ、ラーウ、

イミサンーナッツアン、ラーッカジャ

ードンェ、イフア、ヴァーゲッック

♪ エミ、、ル、ルーフォジ、ャス

♪イ、イドンィン、イッツアェー

♪フォイッン、ー、リィストラッチュ

♪アッディ、ール、ール、ーー

『Take Me Out to the Ball Game』

(以上、2023年8月)