ハマる人はハマるLOSTロスト。多彩な登場人物の英語は各国訛り展覧会
5. 笑いとはまた違ったむずかしさ
まずは登場人物がとても多いので顔と名前を一致させるのに時間が必要です。
本名、偽名、名前、苗字、愛称…
また島では奇怪で不思議な現象が次々と起こるわけですが、唐突な固有名詞に戸惑います。
人の名前なのか、土地の名前なのか、特別な施設や物質の名称なのか、過去の事件なのか、何か共通な愛称なのか。
いや…「単に聞き違えた」だけなのか?
リスニングの実力がないとかなり疑心暗鬼、というか不安でたまらない聞き取りになります。
長丁場でもありますし、後々の伏線回収のこともあるので字幕なしの視聴はなかなかハードルが高いのです。
🇦🇺 クレア・リトルトン
オーストラリア人の若い女性。OAF815便搭乗時は妊婦さん。
唯一のオージーアクセントですが、ディープではありません。母音が軽く変化する程度で比較的聞き取りやすいです。
本人(Emilie de Ravin)もオーストラリア人ではありますが、アメリカで学んでいてアメリカアクセントも話すようですね、やっぱり。
🇬🇧 チャーリー・ペース
一発屋ロックバンドの『ドライブシャフト』の元ベーシストでイギリス人。
北部マンチェスター訛りのイギリス英語のようですが、そこまで訛りはきつくは感じません。イギリス英語の聞き取りの練習になると思います。
本人(Dominic Monaghan)は、両親はイギリス人ですがドイツ生まれ育ちで11歳でイギリス北部のマンテェスター近郊に戻っています。
🇺🇸 マイケル・ドーソン
アフリカ系アメリカ人。息子のウォルトを引き取りにオーストラリアに来ていた。
痩せ型で少し高めの声で早口気味に話すタイプですがインテリなアフリカ系発音です。
早口にならなければ比較的聞き取りやすいと思います。
🇺🇸 ブーン・カーライル
典型的なイケメンの白人アメリカ人。
発音は標準的ですが、ややイケメンなヤンチャ発音。
こういうキャラクターは・・・
🇺🇸 シャノン・ラザフォード
典型的なブロンドの白人アメリカ人。
ステレオタイプなブロンド美人です。なのでこういうキャラクターは・・・
6. イギリス英語の多彩な訛り
そのほかに『ロスト』をリスニングしていて苦労するのは、間違い無くイギリス英語の発音でしょう。
日本同様にイギリスも方言や訛りが多い国です。『ロスト』でもイギリス人(風な役者)はそれぞれの地方の訛りで喋ります。
それでも「コテコテ」ではないようなので、イギリス英語訛り入門編としては優れているのではないかと感じます。
今はユーチューブでイギリスの各地方訛りの解説動画も多く上がっているので、見て見ると面白いと思います。
最後に─
この作品はプロットを複雑に張り巡らせている分、しばらく間が空いて再開するときにはだいぶ忘れています。
その時、数話戻って思い出せればいい方で
”結局前シーズン丸々見直し”
とかがあり得ます。そして前シーズンを丸々見直している途中で集中が切れてしまい、またしばらく中断して数ヶ月、数年・・・
繰り返し見が必須な作品であり、学習的には結果オーライなのかもしれません。
7. ネタバレ的な主要キャスト
これ以降の人物はネタバレ要素がありますのでお気をつけを。
🇬🇧 デズモンド・デイビッド・ヒューム
イギリス人。元はロイヤル・スコットランド連隊の兵士。
デズモンドの英語はスコットランドのグラスゴー周辺と標準が混ざった訛り(それでもだいぶ丁寧でクリア)だそうです。
二重母音の変化、長母音の変化が多く全く違う単語に聞こえます。例えば “Height” は綴り通り”ヘイト”に聞こえる。
大事なキャラクターなのですが、聞き取りに苦労します。
役者本人(Henry Ian Cusick)は母がペルー人で父がスコティッシュ。
スペインに住み、その後はイギリスのグラスゴーに住んでいるそうです。
🇺🇸 アナ=ルシア・コルテス
中南米系のアメリカ人女性。元ロサンゼルス市警の警官。
発音は標準的です。
🇺🇸 エリザベス・“リビー”・スミス
白人のアメリカ人女性。臨床心理士。
発音は標準的です。
🇳🇬 エコー・ダンテ“ミスター・エコー”
ナイジェリア人で麻薬王から牧師に転身。
体格が良くディープボイスで、イギリス的な発音とどこかアフリカの言語のアクセントが混じっているような発音です。
ディープな発声が聞き取りづらいかもしれませんが、全体としては優しい丁寧な発音です。
本人(Adewale Akinnuoye-Agbaje)はロンドン東のエセックスで育ち。両親がナイジェリア人。
🇺🇸 ダニエル・ファラデー
アメリカ人。オックスフォード大学在籍の物理学者。両親はイギリス人?でイギリスでも生活が長い。
アメリカ発音ですが、なんかブリティッシュが混ざってるような雰囲気をキャラ乗せしている?
物理学者でこ難しいことを時々言いますが、基本聞き取りやすいです。
ご本人(Jeremy Davies)は、アメリカ北中部生まれ育ちですね。
🇺🇸 マイルズ・ストローメ
アジア系アメリカ人の霊媒師。
アジア系アメリカ人の英語は一般的に聞き取りやすいことが多いです。骨格のせい?でしょうか。
アジア人のアジア訛りの英語はとても聞き取りづらいですけど。
ドラマではちょっとトラウマのある皮肉屋なキャラクターのため、意味がわからないセリフ結構あります。
🇬🇧 シャーロット・ステイプルズ・ルイス
イギリス人の文化人類学者で考古学者。
大きく分けても20以上あると言われているイギリス英語の訛りのなかで、エセックス訛りのようです(コックニーと河口Estuaryが混ざったような感じとのことですが)。
とても愛らしい発音だと思います。POSHというのでしょうか?聞き取りは結構難しいです。
🇺🇸 ベンジャミン・ライナス
「他の者たち」のリーダーベン。アメリカ人。
「国籍不明感」あるいは「どこの誰だ?感」を出すための演出でしょうか?
国籍不明感のある発音で、アメリカ英語的な発音は抑え気味な感じがしていました。
で気になってYoutubeで2009年のエミー受賞式でのスピーチを見てみましたが、
聞いた感じでは素の喋りも同じ感じでした。
🇺🇸 ジュリエット・バーク
アメリカ人。不妊治療医。
うまく言えないですが、西海岸の人の発音ってこんな感じ。
🇪🇸 リチャード・アルパート
カナリ諸島(スペイン)。ネタバレになるので詳細は省略。
アメリカ英語ですが見た目に影響され少しどこかが混ざっているような。
本人(Néstor Carbonell)もアメリカ人ですが両親はスペイン系のキューバ人。
(以上)
関連 / 参照リンク
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