MLBメジャーリーグ。現地実況音声で見て果たして英語の勉強になるのか

今回のリスニングレビューはアメリカの

『メジャー・リーグ・ベースボール(以下、MLB)』

現地実況中継です。

シーズン開始の3月末から終了の11月まで、NHKBS1で二か国語放送されています。

今回はその副音声について解説します。

あとMLB.tvについても少し説明します。


(2024年5月、追記)

2024シーズン開幕からひと月。

大谷選手のドジャース移籍によってNHKBS1はドジャース戦がメインになり、合わせて副音声は地元放送SNLAになりました。

英語も比較的聴きやすく実況雰囲気も明るく、勉強になるし聞いてて楽しいです。

だけどさすがに去年までのマークグビザさんたちの実況が抜けて面白かったので…

みたいな部分は正直あります。

SNLAの感想ほか、MLBを見るための他の手段についてもまとめましたので、以下のリンクからどうぞ。

2024年MLB開幕。NHK副音声はドジャーズ地元放送 “SportsNetLA”


(2023年8月、追記)

こちらでは先日、大谷選手が出場したシアトルとのホームゲームを見ながら、

現地中継で実況されたMLB用語などを60個くらい拾って、

それらを一覧にしてみました。

“out in front”

など頻出用語の解説も少しやってます。

大谷選手の試合からピックアップ。MLB現地放送の英語表現や用語集

3時間以上のゲームはざら。

平日働いていれば決して十分な時間は取れません。

筆者の日常では、録画したものを帰宅後に何かをしながら半分でも見れればよし、です。

ですけど─

そうなるとそれはほぼ

”ながら見”

でありそしてながら見ということは

・聞き捨て

・聞き逃し

・意味不明部分の放置

のオンパレードということで。

で字幕がないのでもちろん答え合わせもできません。

そしてゲームは次の日もあります。

今言った

” 英語のながら聞き”

については以下の記事で考えを示しました。

[記事] 英語の聞き流し、ながら聴き。無意識インプットはどれだけ効果があるのだろうか?

上記事の要点はリスニング力を向上させるためには

・字幕があること

・精聴すること

が必要です、ということです。

その意味でNHKのMLB放送は、字幕がないので学習には不向きといえます。でも、

好きな野球を見て、

教科書英語ではなくて、

NHKラジオ英語でもない、

CNNでもない、

ドラマでもない、

たぶん台本もない、

ネイティブ同士の日常発音─

を聞くことができるMLBの放送は、なかなかの題材だと思っています。

ついつい見始めて、途中からほとんど聞いてない状態という日々・・・

野球専門用語と聞きなれない選手名だらけですから、好きじゃないと無理ですけど。

NHKBS1以外で現地放送で見るのならJSPORTS

放送頻度について。

これは日本人のメジャーリーガーの人数やその活躍の度合いによって、毎年のようにあるいは毎月のように変わります。

オリンピック等のイベントにも左右されますね。

今年は大谷選手が大活躍していますが、オリンピック・パラリンピックのひと月の間、放送はありませんでした。

そのオリンピック前、今シーズン前半は

ダルビッシュ選手や大谷選手らの活躍によって、ほぼ毎日1試合から2試合程度生中継されていまいた。

日本での放送時間。

西海岸で行われるナイトゲームですと午前9時から11時くらいの間に始まります。

東海岸のゲームは日本では真夜中時間で、ライブ中継はされているも見るのは難しいですね。

再放送がよくされていましたね。

もし興味とやる気に溢れそうな時には、MLB傘下でMLB.tvという配信チャンネルがあります。

ここでは連日毎日全試合が配信され、有料で視聴(そうは言ってもNHKも有料ですが)できます。

そして特に1日ひと試合だけ

”Free Game Of the Day”

と称して無料で視聴できるようになっています。

どのゲームが無料放送になるかはランダムになっていています。

さらに年に何日かは全試合が無料で開放される日があります。

[外部リンク] MLB.tv

ここではすべてのゲームで字幕CC(クローズドキャプション)を表示することが可能です。

これはリスニングの答え合わせ用として使うにはもってこいと思えるのですが−−

問題がないわけではありません(後述します)。

MLBの試合を実況中継する局は主に、地元や地元支社のケーブル・配信ネットワーク会社です。

MLBは現在30球団ありますから、つまりは

30のネットワークが1日でそれぞれ30の中継を放送しています。

「え?」

球団数は30でも試合数は15なのだから

「15番組では?」

いえ、30あるのです。

ですからMLB.tvでは、

[1]. まず見たいゲームを選択し

[2]. 次にどちらのチームの放送局で見るかを選択します

[3]. あるいはラジオ音声も選択できます

NHKBS1の副音声も実は、この30あるローカル放送局のいずれかの音声を使用しています。

契約の関係でしょうが、日本人所属チームの放送局がほとんどです。

LAエンジェルスとシアトルマリナーズの対戦があったとすると、

昔はイチローさんがいたのでシアトルの放送局の実況がNHKBS1の副音声。

今は大谷選手がいるので、ほぼエンジェルス側の放送局、が副音声です。

あとはごくたまに有名対戦カードでは大手ネットワークが放送します。

ESPNやFOX、最近ではAppleTVなども。

基本的に日本と似ていますが、もう少し自由な枠組みも感じます。

構成は実況担当と解説担当の2人編成が基本です。

彼らは局の専任であることが多く、何人かでローテーションしながら1年間162試合を担当します。

専属解説がもう1人加わって3人体制の局(YESなど)もあります。

またゲスト解説(多くは元プレーヤー)が数イニング加わることがよくあります。

時にはスポンサーや慈善団体の人がやってきて、試合そっちのけで1イニングに渡って延々宣伝をして・・・

結局野球の話は一切なく帰ってしまった。なんてことも。

まあだいたい相手の攻撃イニングの場合がほとんどですが。

イニング中も各所に球団のチケット情報や物販の宣伝が散りばめられています。

試合中や前後のインジュリーレポート、フィールドレポート、選手へのインタビューなどはブロンドの美人さんが担当です。

お手本のような正確で美しい英語を話されます。

LAAで言えばBSWのエリカ・ウエストン(Elica Weston)さんです。

また地元の放送ゆえの特権でしょうか、

試合中に選手や監督がインタビューに応じることもあります。

驚くのは、ゲーム中に選手がマイクとイヤフォンをつけて守備に出てブースの実況者達と会話する、なんてこともあります。

「おっと、球きた!」

って言って会話終了、みたいな。

実況中継ということで少し異色だった球団としては、少し前までのLAドジャーズが思い出されます。

スカリーさん(Vin Scully)という方が、相棒もなく一人で試合終了まで数時間、淡々粛々と語る様式美が名物の中継となっていました。

Follow me!